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「経験エコノミー」における製造業の課題と考え方

CXからBXへ ─ Afterコロナにおける製造業の新たな価値創造モデルとは

  • 浜野雅之氏(アクセンチュア)

コロナ禍での人々の生活様式の変化に伴い、消費者にとって、生活の中での儀式となるような消費体験(リチュアル消費)はどのように変化したのか。また、この変化を企業はどのように生かすことができるのか。アクセンチュア インタラクティブ本部の浜野雅之氏に聞いた。

Afterコロナに生活者が気づいた本質的な価値とは?

世界的なパンデミックによって、国民の健康と安全を守るために、各国でリモートワークや外出制限といった対応を余儀なくされ、人々は半ば強制的に隔離されることで孤立へと追い込まれてしまいました。こうして歴史的転換期を迎えた社会では、人の本能や個人/コミュニティの価値観が不可逆的に変化し、もう元に戻ることはないと見られています。

この世界的で揺るがないトレンドは、人々の心にどう影響しているのか、また製造業はこの変化をどう捉え、何をどう届けていくべきなのでしょうか。

アクセンチュア インタラクティブ傘下にある世界最大のデザインスタジオFjordでは、生活者の視点から社会やビジネスにおける変化を「Fjord Trends」と題して毎年まとめています。「Fjord Trends 2021」ではコロナによって顕在化したトレンドを7つ紹介しており、トレンドのひとつである「リチュアル(儀式・習慣)の消失と創造」では、予期せず生まれ変わった新しい日常の中で、これまで当たり前のように繰り返してきた行動は実用面以外の意味があった、つまり「リチュアル」の側面があったことに人々が気づかされた、と指摘しています。

例えば通勤は、「職場の私」と「プライベートな私」の切り替えというリチュアルであり、それが失われた今、デジタル体験として切り替えを再現しようとするサービスも出てきました。また、金曜の飲み会や日曜の朝に集まって行うスポーツは、食事する、運動する、という実質的な側面もありながら、交流を通して帰属意識を高めるリチュアルとしての役割があることに気づいた人も多いでしょう。リモート飲み会として形を変え、Discordなどのオンラインコミュニティも盛んになりました。

こうした生活者のトレンドを踏まえて、製造業は実用的な面だけではなく、生活者が真に求めている本質を見極めて時には提供物そのものの形を柔軟に変えながら、価値を提供していくことが求められています。

CXからBXへ ビジネスモデルの変革が急務

大きな転換期を迎え、「人生」を見つめなおして自らの価値を再構築しようとしている人々は今何を感じ、また今後どのように変化していくのでしょうか。具体的には以下のようなことが挙げられそうです。

①他人やコミュニティとの新たな繋がり方を模索している。そのために、ブランド、企業、組織からのサポートも活用しながら、これまでの価値を再定義して新たな日常に適応しようと試みる。

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「経験エコノミー」における製造業の課題と考え方

モノの価値に加えて「経験価値」が重視されるようになって久しい現代。顧客とのデジタルの接点を介して得られるデータにより、多くのインフラを持たずに魅力的な体験の提供に注力し、世界的な成長を遂げたUber やAirbnbなどの企業。これらの企業が起こしたデジタル・ディスラプションは既存産業、特にメーカーに大きな衝撃を与えました。図らずも、コロナ禍において顧客接点のデジタルシフトが加速し、リアルもデジタルも含めた一貫したブランド体験の提供が求められるようになった現在、顧客の視点に立った体験・経験の価値から、改めてマーケティング戦略や企業戦略を見直す必要が生まれています。技術オリエンテッド、プロダクトアウト思考が強いと言われてきた日本の製造業は、いかにして変革を遂げるべきなのか?いま踏み出すべき、変革の一歩を実務者、研究者と共に考えます。

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