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マーケターのキャリアデザイン

独立・起業という道を歩み始めたマーケターの選択:ドックジャパン・矢村功さん

  • 矢村功(ドックジャパン 代表取締役)

トップマーケターが歩むキャリアの中でも、特に独立・起業を選んだ人は、どのようなきっかけで、あるいはどのような目的をもって、その道を選択したのでしょうか?自らの専門スキルを持って、独立・起業することのメリットとは。そして必要な準備・心構えとは。

プレゼン上手の理系学生、外資系広告会社へ

大学・大学院では応用物理学を専攻、電子顕微鏡の開発に携わっていた矢村さん。生粋の“理系男子”だった同氏は、大学院卒業後、当時は文系学生の就職先としても珍しかった外資系広告会社に入社することになる。理由を尋ねると「学会やゼミなどでのプレゼンが、周りの学生に比べて上手かったんです。

他の研究室の先生を含め、周りからは高く評価されていたのですが、研究自体は大したことがないのは自分が一番よくわかっていましたから、そのギャップに苦しんでもいました。説明の上手さでごまかし続ける人生は寂しい。どうせなら『説明すること』を仕事にしたいと考え、選んだのが広告会社でした」。

営業職として入社したのは外資系広告会社のビーコンコミュニケーションズ。第一の転機は入社2年目の2003年に訪れた。親会社のクライアントであった、マクドナルドが初めて世界統一ブランドキャンペーン「i'm lovin' it」キャンペーンをスタート。日本では、グローバルの知見を持つビーコンと、ローカルの知見を持つ電通が連携して担当することになり、矢村さんもそのチームに加わった。

「戦略やアイデアを最重視する外資的なスタイルと、きめ細やかなアカウントサービスを大切にする日本的なスタイル、両方のアプローチを経験できたことが、その後のキャリア形成に大きな影響を及ぼしました。さらに少人数のチームだったため、営業という立場でありながら、戦略立案はもちろん自分でコピーを書くなどクリエイティブの一部を担うことも。またクラアイントからもかわいがられ、社内会議に同席することもしばしばありました」。

しかし、クライアントと近い距離で仕事をする中で、「エージェンシーの限界」を感じるようになったという。「クライアントと密に連携しているつもりでも、やはりコミュニケーションのアウトプットの部分でしか貢献できていないことに、もどかしさを感じていました。

また、『外資系企業の日本支社』の制約の多さにも悩みました。彼らはあくまで日本でのビジネス展開に特化しているので、英語を使ってグローバルな仕事をしているように見えて、英語を使っているのに極めてドメスティックな仕事に閉じてしまっていることにもどかしさを感じていました」。

広告領域に留まらず、もっとビジネスに近い位置で ...

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ジョブローテーションが多く、マーケティング人材の育成が難しいと言われてきた日本企業。それでは、マーケターとして専門スキルを磨き、専門人材としてキャリアを積んでいった先には、どんな未来があるのでしょうか。 企業において、マーケターという職種が定着していない日本だからこその課題を考えます。

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