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広告プランニングの新・潮流 「新・メディアの教科書」

コロナが再定義するライブエンタテインメント─NTT研究所 木下真吾氏

  • 木下真吾氏(NTT研究所)

デジタルデバイスの普及と進化で、情報を受け取る側の生活が大きく変化した。さらに進む映像技術の革新は、これからのメディア体験をどう変えるのか。NTT研究所の木下真吾氏が解説する。

超高臨場感通信技術Kirari!の実証実験の様子

甚大な被害を受けたエンタメ界 リアルライブは破壊される?

2020年、コロナは音楽ライブやスポーツ観戦など集客型ライブエンタテインメント(以下、リアルライブ)に甚大な影響を与えた。ぴあ総研2021年2月の発表によると、市場規模は、2019年の約1兆1400億円に比べマイナス75%の約2800億円に落ち込んだ。

一方、オンラインライブは急成長した。ぴあ総研によると2020年オンラインライブの市場規模は、約500億円に達し、2024年には1千億円規模まで成長すると予想される。BTSは、約100万人集客し、約46億円を売り上げたとも報告されている。

このままオンラインライブは成長し、リアルライブは衰退するのか?その可能性は低く、一握りのメガアーティストだけがオンラインライブで成功を収めるであろう。

メガアーティストの驚異的な収益は、舞台装置や宣伝のさらなる投資を促し、それが集客増に繋がるといった好循環を生む。一方、ほとんどのアーティストは、投入できるリソースが少なく、ありきたりなオンラインライブしかつくれずすぐに飽きられる。

2020年は、ライブに行けないストレス、物珍しさ、お手軽さ、アーティストの支援などの理由から、オンラインライブを体験された方が多かった。しかし、テレビやミュージックビデオと変わりなく物足りないという声も多く、実際に、SKIYAKI社2020年9月の調査によると、77%のファンがリアルライブの方が良かったと回答している。そう簡単にリアルの魅力をオンラインで代替できるものではない。

現地に足を運ぶ理由は、非合理性のなかにある「余白」?

そもそも、人はなぜリアルライブに行くのか?さまざまな従来研究が行われてきたが、私が着目するのは、「臨場感」「一体感」「特別感」の3点である。

ひとつ目は「臨場感」。アーティストやアスリートがそこにいる、自分も同じ空間にいるという感覚だ。実際の会場では、距離があり豆粒程度にしか見えず、オンラインの方が見やすいのだが、「そこにいる」という実感がリアルの魅力となる。

テレビやスマホでは、解像度がHDから4K、8Kに向上しても、枠に収まった平面映像でしかなく、空間を共有している感覚は生まれない。また、リアル会場に入ったときの空間の広がりも実感できない。

我々NTTが「そこにいる」感の再現に向け研究開発したのが、超高臨場感通信技術Kirari!だ。まず、「そこ(会場)にいる」感覚、すなわち、まるでスタジアムに座っているかのような感覚をつくり出すために、空間の広がりの再現を試みた。

4Kカメラを複数台並べ、つなぎ目が自然となるようリアルタイムに合成し、1枚の...

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「ペイドメディア」だけでなく、「アーンドメディア」に「オウンドメディア」と、「トリプルメディア」すべてを活用したマーケティング・コミュニケーション活動の必要性が叫ばれるようになってから数年が経ちました。その後、生活者の情報収集接点はさらに種類も多様化し、メディアプランニングはますます難易度を増しています。従来のペイドメディアを中心としたメディア特性による分類では太刀打ちできず、生活者視点に立った適切な接点づくりを考える必要性が生まれていると言えるでしょう。それぞれのメディアの世界別に慣習やルール、専門用語もある中で、マーケティング担当者はどのような視座でメディアを選び、また活用すればよいのか。現代社会においてメディアと情報伝播の流れを俯瞰的に踏まえながら、個々のメディア別の活用法を考えていきます。

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