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批判、炎上は広告の宿命? それでも、より多くの人に響くメッセージを

公開日:2019年12月03日

  • 麻生哲朗氏(TUGBOAT)

三井住友カードの企業広告CMで2019年度TCCグランプリを受賞したクリエイティブディレクター・CMプランナーの麻生哲朗氏。同氏に、多様な考え、生き方を尊重する社会潮流の中での広告制作について、話を聞きました。

広告発信側に必要なのはメッセージを投げかける覚悟

1996年に電通入社、1999年からはTUGBOAT設立に参加した麻生哲朗氏。20年以上にわたり、広告クリエイターとして活躍してきた同氏は今年、三井住友カードの企業広告CMでTCCグランプリ、ACC賞ゴールドを受賞した。

2018年の三井住友カードの企業広告テレビCM「Thinking Man」篇プロローグ。青木崇高さんが扮する旅人が、「奇妙なモノを持ち歩いてるもんだ」と言い、小栗旬さんが扮する青年が「お金ってなんなんだろう」とつぶやく。

「奇妙なモノを持ち歩いてるもんだ お金ってなんなんだろう」というコピーが印象的なこのCMは、キャッシュレス化が進む現在の社会環境を踏まえ、お金に対する人の価値観の変化が表現されている。キャッシュレス化は、現在進行形で進んでいる。過渡期にあるともいえる今、どうしてこのような表現に行き着いたのだろうか。

「クライアントに先見の明があり、時代の流れを読めていたことが大きかったと思います。しかしキャッシュレス化が国をあげて進められている中、日本は世界の主要国に比べてその定着は遅れています。つまり世界の流れと、まだ現金を使うことの多い日本の一般消費者との間にはねじれがある。キャッシュレス化が進んだ海外では現金の方が盗難などの危険もあり不安や不便だと思われていますが、治安のよい日本では、みな現金とキャッシュレスを、無意識にバランスをとって生活している。その状況でキャッシュレスのメリットだけを伝えても実感を伴わないので『お金ってなんなんだろう』と根本的な問いかけをする形にしました」。

麻生氏は、広告が明快なメッセージを打ち出す時にはどうしてもある程度の覚悟は必要だと語る。メッセージは企業の見つめる方向性を示すものであり、ひとつの方向に光を当てることによって、一方では光の当たらないところをつくることでもある。そこを自覚しておく必要があると話す …

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多様化する時代 広告表現のリスクと対応

ステレオタイプではない多様な生き方、考え方を尊重することが、組織や社会の活性を促し、それはイノベーションの起点ともなりうる......。企業、あるいは社会全体でいま、ダイバーシティを尊重する気運が高まっています。

しかし広告表現においては、多様な社会の価値観に向き合う視座が求められたのは最近のこと。広告がクレームや炎上の対象になる事案も目立ちます。いま広告の発信者、つくり手には、多様性に対してどのように想像力を働かせることが求められ、また発信に際して覚悟が求められているのでしょうか。

本特集では広告界の最前線で消費者と向き合うクリエイターの方々の視座を中心に、考察していきます。

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