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多様な人たちの声が届くようになった社会で どのように広告を制作していくべきなのか?

公開日:2019年12月01日

  • 藥師実芳氏(ReBit)

LGBTやダイバーシティに関する「教育事業」、「キャリア事業」などを実施し、LGBTをふくめ「ちがい」をもつ全ての子ども・若者の課題に多角的に取り組む、認定NPO法人ReBit。代表理事を務める藥師実芳氏に、ダイバーシティ&インクルージョンの視点から広告表現や広告業界について話を聞きました。

ジェンダーに限らずD&Iの想定が求められる時代

藥師実芳氏は、自身もトランスジェンダーであり、LGBTやダイバーシティについての理解促進やキャリア支援など多面的に事業を展開している。広告のダイバーシティについて考えるにあたり、日本の広告表現や昨今の炎上について意見を聞いた。

「マイノリティに限らず、誰でもライフスタイルやバックグラウンド、価値観が多様化しています。だからこそ、例えば結婚式の広告やサービスを考える上で、『20代後半の男女カップル、健常、日本人、両親が健在かつ2人の結婚式に参列でき、一生の記念として友人や職場など多くの人を招いて予算も多くかけたい』というペルソナだけでは必要十分とは言えません。広告やサービスを届けるペルソナが多様化しているからこそ、その多様性をどこまで想定し、排除せず包括するか、つまりは広告やサービスにおけるダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の視点が重要なのだと思います」。

また現在はSNSが発達し、属性や価値観が似ている者同士がオンライン上でつながりやすくなったことが、マイノリティの意見が届きやすくなった一因であると話す。

「SNSの広がりにより、属性や価値観が似ている人同士でつながりやすく、コミュニティも多様化しています。国内調査ではLGBTは約3~10%(※)とも考えられていますが、居住地域でカミングアウトをすることにはリスクがあり、声を挙げられない人も少なくありません。しかし、地域を超えてつながり、かつ実名でなくても使用できるSNSは、LGBTという属性でつながりやすく、今まで『ないもの』とされていた声が届きやすくなっていると感じます」。

LGBTや性的マイノリティの推計には様々な国内調査がある。「働き方と暮らしの多様性と共生」研究チーム(2019)「大阪市民の働き方と暮らしの多様性と共生にかんするアンケート」ではLGBTがTが2.7%、LGBTAが3.3%、「決めたくない・決めていない」を含めると8.2%。LGBT総合研究所(2016)「LGBTに関する意識調査」では、LGBTが5.9%、LGBTを含めたセクシャルマイノリティが8.0%。電通ダイバーシティ・ラボ(2018)「LGBT調査2018」では、LGBTを含む性的少数者(セクシュアル・マイノリティ)が8.9%。日高庸晴・三重県男女共同参画センター「フレンテみえ」(2018)「多様な性と生活についてのアンケート調査」ではLGBTQが10.0%。岩手県高校教育研究会学校保健部会・いわて思春期研究会(2013)「高校生の生と性に関する調査」ではセクシュアルマイノリティが10.1%などがある …

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多様化する時代 広告表現のリスクと対応

ステレオタイプではない多様な生き方、考え方を尊重することが、組織や社会の活性を促し、それはイノベーションの起点ともなりうる......。企業、あるいは社会全体でいま、ダイバーシティを尊重する気運が高まっています。

しかし広告表現においては、多様な社会の価値観に向き合う視座が求められたのは最近のこと。広告がクレームや炎上の対象になる事案も目立ちます。いま広告の発信者、つくり手には、多様性に対してどのように想像力を働かせることが求められ、また発信に際して覚悟が求められているのでしょうか。

本特集では広告界の最前線で消費者と向き合うクリエイターの方々の視座を中心に、考察していきます。

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