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シニアの熱狂が市場を動かす。

「ヘルスケア」から「ウェルビーイング」へ 人生100年時代のシニアマーケティング発想法

  • 大高香世氏(Hakuhodo DY Matrix)

日本の高齢化率は約29%と、世界的に見ても高齢化が進んでいる国だ。平均寿命は世界1位で日本は「人生100年時代の先進国」とも言える。寿命が延びることによって生活者の意識や行動はこれから大きく変化していく。それに伴い、マーケティングの発想法も変えていく必要がある。人生100年時代のマーケティング発想法について、Hakuhodo DY Matrix 100年生活者研究所の大高香世氏が解説する。

日本のおじいちゃん、おばあちゃんを思い出す時、私は漫画『サザエさん』の磯野家を思い出すのだが、今から約80年前につくられた設定では、磯野波平は54歳、フネは52歳だ。現代の54歳といえば、福山雅治さん、52歳であれば藤原紀香さんなど(2024年2月1日時点)、昔とは年齢のイメージが大きく変わってきている。シニアの概念ももちろん大きく変化してきている。

日本の高齢化率(全人口における65歳以上の割合)は約29%で世界トップ、また平均寿命も男女の平均値で世界1位だ。日本は世界に先駆けた高齢化先進国と言えるだろう。

私たち「100年生活者研究所」の研究活動の拠点は「シニアの原宿」として有名な巣鴨。こちらで運営するカフェのお客さまに人生についてのインタビューをし、貴重な声から分析を進めるという一風変わった研究スタイルを実践している。今回はシニアにまつわるデータとともに、日々さまざまなお客さまとのお話を通じて見えてきた、これからの潮流と新しい発想法について紹介していく。

同研究所が巣鴨で運営する「100年生活カフェ かたりば」。

仕事に育児に学習に…「マルチルートな幸せ」求める時代

さて、人生100年時代、一体何が大きく変化するのだろうか?人生80年時代は、「約20年間の学生生活」→「約40年の労働生活」→「約20年の老後生活」とひとつのレールに乗ったライフコースを歩む人が多く、シニア期とはこの3つ目の「約20年の老後生活」を指しているケースがほとんどだった。つまり余生を健康で元気に過ごすことをテーマとしたマーケティングが、シニアを市場と捉えた当初の主流だった。

しかし現在の100年時代は、「労働生活」→「老後生活」とはっきり分かれるのではなく、両生活ともマルチタスク化が進んでいき、実に多様になってきている。

例えば働きながら育休を取る男性が増えたり、学校に通う人、副業をする人など...

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シニアの熱狂が市場を動かす。

100兆円を超える規模とも言われる国内のシニアマーケット。もはや3人にひとりが高齢者の今の環境では、あえて「シニア向け」と銘打たなくとも、多種多様な企業の商品の主要な対象顧客にシニア世代が含まれています。日本国内でビジネスをしていくうえでは、「シニア世代」のインサイトを捉えることは、もはや必須といえるのではないでしょうか。しかし、世代論が通用しなくなってきたと言われる今、「シニア世代の特性」をわかりやすく提示するのは難しいのも事実です。一方で加齢に伴う、身体の変化などもあり、シニア世代だからこその行動や意識の特性は現在も存在します。そんな難しいシニアマーケットにおいて、実際に成功している企業・商品の事例からポイントを読み解いていきます。

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