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「共感」ブランド戦略

緻密な設計で共感を醸成する、Z世代が主役のAMEX新CM

  • 杉本美穂氏(アメリカン・エキスプレス・インターナショナル)

DE&Iの取り組みを世界各地で積極的に展開するなど、様々な施策でそのブランド姿勢を示してきたアメリカン・エキスプレス。2022年にグローバルで始まった新たなブランドコミュニケーションでは、旅行やエンターテインメントを通して得られる「喜びの瞬間」に焦点を当てたクリエイティブを制作した。その背景について、ブランド&コミュニケーション副社長の杉本美穂氏に話を聞く。

すべてのステークホルダーに対しブランドの姿勢を示す

世界180以上の国や地域でビジネスを展開するアメリカン・エキスプレス。「アメックスのゴールド・カード」はステイタスの象徴ともいわれ、170年以上にわたる歴史を持つ同社は今、決済手段を超えた「人生に欠かせないもの」としてのブランドの位置付けに注力している。

この動きの発端は2018年4月にグローバル統一で展開したリブランディング施策に遡る。日本では同年5月から「そう、人生には、これがいる。」、「そう、ビジネスには、これがいる。」というタグラインのもと、人々のプライべートやビジネスを支え、より豊かにする役割を様々なパターンのクリエイティブを通じて描いてきた。その目的は、昨今の消費者のライフスタイルの変化に合わせ、新たなブランドの立ち位置を示すこと。同社の杉本美穂氏はこれらの施策の背景について、次のように話す。

「個人でクレジットカードを利用する方だけでなく、法人向けカードを利用する中小企業や個人事業主、加盟店、カード決済システムを提供している会社など、すべてのステークホルダーに対して、私たちの価値を再認識してもらうためのアプローチが必要だと考えました。そうした背景もあり、個々のカードの機能よりも、ブランドがお約束できることに軸足を置き、より情緒に訴えかけるクリエイティブとなっています」。

こうした一連の施策の一環として2022年5月にスタートしたのが、グローバルのブランドキャンペーン「Member When」だ。「記憶に残る素晴らしい瞬間にはアメックスがいつもそばにあり、またいつかしてみたいことはアメックスに実現のお手伝いをさせてほしい」、というメッセージが込められている。

ローンチにおいて、同社では初めて、ミレニアル世代を中心とする若年層にフォーカスを置いた。10月からの素材ではZ世代を主役に、コロナ禍を経て、再び旅行やエンタテインメント、外食の喜びを取り戻していく「瞬間」をエネルギッシュに描いた。「これまでサービスを利用してこなかった若い人々にも、フレッシュな視点でブランドを捉えてほしかった」と杉本氏は話す。

楽しい!最高!から一歩踏み込み 日本特有の「つながる喜び」を描く

日本国内では2022年10月からキャンペーンを展開した...

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「共感」ブランド戦略

モノ・サービスの機能性の違いだけでは、差異が打ち出しづらいコモディティ化した市場環境においては、モノの背後にある企業の姿勢や考えに対する共感が消費者の行動を喚起するとも言われています。それでは、共感とはどのように醸成されるのでしょうか?またその企業やブランド姿勢に対する共感は実際に購買という経済活動にどこまでつながっているのでしょうか?実務の世界におけるコミュニケーション事例の他、人の共感が生まれるメカニズムにも迫りながら、マーケティングにおける共感の捉え方を考えます。

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