外食産業に打撃を与えたなかで、ドライブスルーやテイクアウトなど、非接触型の販売システムの導入が可能な業態では需要が伸長した。全国約1200店舗を展開する吉野家は、どのように対応したのだろうか。吉野家のCMOである田中安人氏に聞いた。

アレンジレシピより、牛肉とトマトの卵炒め(撮影/宗野歩)。
ユーザー発信の投稿を生かし、「おうち𠮷野家」を盛り上げる
コロナ禍においても、オフィス街の店舗は昨年比80%。郊外型は90%から100%を超えた店舗もあったという𠮷野家。平日の来客が減少した一方で、週末の家族利用などは増加した。
「男女比に大きな変化はありませんでした。一方でテイクアウト比率をみると、一度目の緊急事態宣言発令時にはこれまでの3割程度から7~8割まで上昇。なかでも、有職主婦のテイクアウト需要が増えていることが分かりました」(田中氏)。
その大きなきっかけとなったのが、ポケットモンスターとコラボレーションした『ポケ盛』だ。専用の丼とフィギュアが付く同企画は2019年12月、予想を上回る人気によって発売を休止していたものを2020年5月に...