メディア環境が大きく変化するなか、広告・コミュニケーションは大きな転換点を迎えていました。そんな折に起きたのが、新型コロナウイルス感染症の流行。人々の意識や行動が大きく変わり、また非接触のコミュニケーションの拡大で社会全体のデジタル化が大きく推進されようとしています。
この状況でいま、企業のマーケティング・コミュニケーション活動を牽引する宣伝部長は何を考え、これからの戦略をどう組み立てようとしているのでしょうか。そして、いまこの環境でコミュニケーションにできることとは何なのでしょうか。105社の宣伝部長への匿名アンケート、ならびに38社の宣伝部長の実名コメントから、変革期の「ブランド&メディア戦略」を読み解きます。
宣伝部門の今年度の戦略・方針や注力したい施策・領域などについて聞いたアンケートの回答を一覧で紹介する。回答項目は、【1】部門人数・平均所属年数、【2】部門の管轄業務、【3】今年度の広告宣伝の戦略・方針、【4】今年度、注力したい施策・領域、【5】注目の話題・手法、【6】広告宣伝業務の魅力や価値を感じていること。
11 クボタ

コーポレート・コミュニケーション部
部長
細谷 祥久(ほそたに・よしひさ)
1988年関西学院大社会卒、久保田鉄工(現クボタ)入社。広報室、東京本社総務部、人事労政部を経て、2003年人事部人事第一グループ長、2004年秘書広報部広報室長。2010年より現職。
部門人数と平均所属年数 | |
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部門人数 | 17人 |
平均所属年数 | 約8年 |
今年度の動き
今年度の広告宣伝の戦略方針
日本国内におけるブランド認知・理解の向上、デジタルコミュニケーション(特にオウンドメディア、インターネットメディア)を核としたエンゲージメント向上、グローバルでのブランドガバナンス強化。
今年度、注力したい施策・領域
● 企業のブランド価値を向上させること
● クリエイティブ力の向上
● 部門内の人材育成
注目の話題・手法
● 顧客体験(CX)
● 動画の活用
● データ活用
広告宣伝業務の魅力や価値を感じていること
従業員、ビジネスパートナーだけでなく、一般の方の直接の声を聞けることは、この仕事の魅力といえる。
12 クレディセゾン

ブランディング戦略部
部長
植田 直宏(うえだ・なおひろ)
2002年営業企画部販売促進課、2008年販売促進部課長、2010年ゴールド・AMEX部課長、2016年AMEX推進部担当部長、2018年AMEX推進部部長を経て、2019年より現職。
部門人数と平均所属年数 | |
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部門人数 | 15人 |
平均所属年数 | 約3年 |
今年度の動き
今年度の広告宣伝の戦略方針
クレディセゾンブランドおよびセゾンカードブランドの再構築。とくに若い方々をメインターゲットとし、新規サービス・プロダクトの開発から、ブランドメッセージを発信していく。
今年度、注力したい施策・領域
● 企業のブランド価値を向上させること
● クリエイティブ力の向上
● 部門内の人材育成
注目の話題・手法
● 顧客体験(CX)
● カスタマージャーニー
● 動画の活用
広告宣伝業務の魅力や価値を感じていること
企業のトップの考え・思いを形にできるのは、ブランド・マーケティングに関わる部門だけであり、大きなやりがいだと思っています。その分、責任も大きいです。
13 コーセー

宣伝部
部長
織田 浩行(おだ・ひろゆき)
1993年入社。2007年マーケティング政策課課長、2009年ブランド企画部課長、2010年宣伝企画PR課課長、2013年通販事業室室長を経て、2019年より現職。
部門人数と平均所属年数 | |
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部門人数 | 80人 |
平均所属年数 | 約5年 |
今年度の動き
今年度の広告宣伝の戦略方針
①アフターコロナの生活動向に対応したサービスやコミュニケーション手法の検討。EC(DtoC)誘導の強化/②KPI設定と成果検証の精度向上によるメディア投下配分の最適化、他。
今年度、注力したい施策・領域
● 商品の売上を宣伝施策で高めること
● クリエイティブ力の向上
● デジタル/リアルの顧客チャネルの統合・一元管理
注目の話題・手法
● カスタマージャーニー
● パーソナライゼーション
● インフルエンサーマーケティング
広告宣伝業務の魅力や価値を感じていること
SNSの普及により以前にも増して、良いも悪いも実行したことへの反響を感じることができる。