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各分野のプロが考える 伝わる「言葉」の本質

ファッションを『書く』 言葉にできない事象を伝わる言葉で発信する

新井茂晃氏は、「ファッションを書く」という活動をしているテキストデザイナー。一般的に「見て」「着て」楽しむものと捉えられるファッションデザインの言語化に挑戦している。言葉にするのが難しい事象や感情を伝えるとき、新井氏は何を意識しているのだろうか。

テキストデザイナー
新井茂晃氏

2016年より「ファッションを読む」をコンセプトに、ファッションデザインの言語化を試みる『AFFECTUS』をスタート。『TOKION』『STUDIO VOICE』『文春オンライン』などメディアでも執筆を行い、現在はカナダ・モントリオールのオンラインセレクトショップ『SSENSE』に参加し、Freelance Lead Japanese Copywriterとしても活動している。

「解説」がないと理解に戸惑う経験、ありませんか?

もともとファッションデザインに興味があり、自分の洋服ブランドを立ち上げたこともありました。私の計画の甘さや資金不足でそのブランドは休止することになるのですが、趣味として続けていたFacebookでの発信がきっかけで、「ファッションを書く」という活動を始めました。

Facebookでは、各ブランドから毎期発表されるコレクションを自分なりに解説していたのですが、それが自分の周りで好評で(笑)。もしかしたらこの道で自分が生かせるかもしれない!と考え、2016年から『AFFECTUS』という紙の書籍を自費出版。それ以来、ファッションデザインを言語化し、今はニュースレターでの配信をメインに、紙媒体のコンテンツとしても発表を続けています。現在はその活動を継続しながら、ショーや展示会の取材、メディアでデザイナーへのインタビュー、執筆も行っています。

コレクションの鑑賞を通して、「ファッションを書く」って何だ?と思われた方も多いですよね。そう思われて当然です。ファッションは「見て」「着て」楽しむものと広く認知されているので。

きっとデザイナーも、言語化できないことをファッションという形にして発信し、「見て」「着て」感じてほしいと考えているのだと思います。

では、わざわざ言葉にしなくてもよい事象を、あえて言葉にしようとするのか。それは、言葉でしか伝わらないことも少なからずあると考えているからです。発表されたデザインが今どんな価値を持つのか、ファッションの歴史的にどんな意味を持つのか、製作背景は⋯。どれも洋服を見て、各々が感じ取ることができる要素なのかもしれませんが、有名デザイナーのショーの映像などを見て、言葉による解説がないと、理解に戸惑う経験はありませんか?「これが服なの?どうしてこんな...

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各分野のプロが考える 伝わる「言葉」の本質

広告がその目的を達するためには、そこにある言葉がまず対象者にしっかりと「伝わる」ことが大切です。しかし、情報過多の現在において、伝える意思があるにもかかわらず、伝わらないままに終わってしまう言葉も増えてきています。加えて価値観が多様化した現代、ときにその違いが人と人との間に分断を生み出してしまうことすらあります。同じ言葉を使っていても、その言葉を受け取る側と同じ文脈を共有していなければ、伝わらないばかりか、摩擦を生んでしまうことにもなりかねない。広告の言葉も同様で、大きな力と同時にリスクもはらんでいるのが現在の状況です。本特集では、広告業界だけでなく多様な領域で、伝わる言葉の哲学をもって仕事に取り組む方々に取材。価値観多様時代の言葉の在り方、使い方を考えていきます。

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