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各分野のプロが考える 伝わる「言葉」の本質

アナウンサーの仕事は目の前の事象に言葉を「添える」こと

  • 倉田大誠氏

マスに向けて情報を発信するテレビ。情報番組やスポーツ中継など、その発信において欠かせないのがアナウンサーの存在だ。毎日たくさんの視聴者へ向けて「言葉」を伝えている彼らは、どのような想いで「言葉」を紡いでいるのか。フジテレビアナウンサーの倉田大誠氏に考えを聞いた。

アナウンサー
倉田大誠氏

2004年、フジテレビジョンにアナウンサーとして入社。バレーボール、競馬、スケートなど各種スポーツ実況をはじめ、報道・情報番組のキャスターとしても活躍。2021年3月からは、朝の情報番組「めざまし8」の情報キャスターを担当している。

言葉で伝えることは難しい 日々が反省の連続

私がフジテレビに就職したのは「就職氷河期」と言われていた時代でした。最初の仕事は27時間テレビの「提供読み」。当時のフジテレビアナウンサーの登竜門と言われる仕事でしたが、とても緊張しました。初仕事だからと言って失敗は許されないので。

今年でアナウンサー生活も17年目を迎えますが、野球やサッカーをはじめ、今年は東京オリ・パラでも実況を務めさせていただきました。また、朝の情報番組のキャスターなど、多岐にわたる分野の番組に携わっています。

皆さんがご存知のとおり、アナウンサーの仕事は視聴者の方々に“声で”情報を届けることです。このような仕事をしていると、やはり、「どのように伝えればより伝わるのだろうか」と常に考えるようになります。

とはいえ、しっかりと伝えようとするあまり、直接的すぎる表現を選んでしまうと、誤解を招くリスクもあります。一方で慎重に言葉を選び過ぎると、回りくどくなりすぎて、本来伝えたい事が明確に伝わらないことも。

そういう意味では、日々挑戦と反省の連続。「伝える」ことの難しさを毎日感じながら過ごしています。

アナウンサーの仕事は事象に「言葉」を“添える”こと

アナウンサーはテレビに出演して情報を伝えるので、番組上での「主役」として、視聴者の方々から認識されることもあります。

ですが、私たちは決して主役ではありません。情報番組の場合はニュース、スポーツ実況はアスリートが主役です。アナウンサーの役割とは、主役である、情報や人などの事象に「言葉」を添えることだと思っています。

事象に「言葉」を添えるとはどういうことか。スポーツ実況を例としてお話ししたいと思います。

実況では、良い言葉がアナウンサーの口から発せられると、“名実況”と称されることがあります。しかし、実況を担当するアナウンサーが全員、「良いことを言ってやろう」と狙って実況席についているわけでは...

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各分野のプロが考える 伝わる「言葉」の本質

広告がその目的を達するためには、そこにある言葉がまず対象者にしっかりと「伝わる」ことが大切です。しかし、情報過多の現在において、伝える意思があるにもかかわらず、伝わらないままに終わってしまう言葉も増えてきています。加えて価値観が多様化した現代、ときにその違いが人と人との間に分断を生み出してしまうことすらあります。同じ言葉を使っていても、その言葉を受け取る側と同じ文脈を共有していなければ、伝わらないばかりか、摩擦を生んでしまうことにもなりかねない。広告の言葉も同様で、大きな力と同時にリスクもはらんでいるのが現在の状況です。本特集では、広告業界だけでなく多様な領域で、伝わる言葉の哲学をもって仕事に取り組む方々に取材。価値観多様時代の言葉の在り方、使い方を考えていきます。

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