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ファンに共感される企業の振る舞い「推し活」とマーケティング

アニメ、アイドルから建築物、スポーツまで 細分化・多様化が進む推し活事情

  • 道満綾香氏(N.D.Promotion)

いまでは生活の中で自然と使用されている“推し”という言葉。しかし、“推し”となる対象は時代に応じて変化してきている。Z世代を対象としたシンクタンク「Z総研」に所属する道満綾香氏が、Z世代の“推し活”を中心に、“推し”となる対象の広がりについて解説する。

ここ数年間で起こった「推し事」「推し活」の変化

ビジネスや日常生活でも、最近よく耳にするようになった「Z世代」。そして「Z世代」に世の中が注目しはじめるとともに、「推し事」「推し活」といった言葉を目にする機会が増えたと思います。

「推し」とは、現在はさまざまなコンテンツにおいて使われています。好きなアイドルを応援したり、アニメキャラクターのグッズを買ったり、お気に入りのYouTuberの動画を見たり⋯。今や推し活の対象の幅はこれまでに比べると、非常に広がりました。Z世代には何かしらの推しがおり、推し活に励んでいると言われています。もはや推し事・推し活は特別なことではなく、当たり前の行動になり、消費にも大きな影響を及ぼしています。

実際に、私が所属するZ世代を研究するシンクタンクであるZ総研が2021年7月9日~7月18日にインターネットにて218人のZ世代女性に行った推し活に関するアンケートにて、推しがいるかを尋ねたところ、96.3%ものZ世代が「推しがいる」と回答しました。

かつてオタクは良い印象を持たれていなかった時代もあり、Z世代の上の世代である「ミレニアル世代」が学生だった頃は、何かにオタク的に熱中することがあっても、今より公言しにくい風潮があったのではないでしょうか。ややネガティブなイメージさえまとっていたこの単語が、これほど一般的に使われるようになったのは、一体なぜなのでしょう。

1970年代以降に生まれたとされる「オタク」という言葉は、アニメやゲーム、漫画など、サブカルチャーと呼ばれる特定のものごとに熱狂する人のことを指していました。

好きな対象を指す「推し」という表現自体は以前から使われていましたが、広く一般に知られるようになったのは、国民的人気アイドルグループとうたわれたAKB48の全盛期である2010年頃からでしょうか。いわゆるオタクの聖地、東京・秋葉原を拠点とした彼女たちの大ヒットは、オタク的とされるコンテンツやその楽しみ方、受け手側である消費者の振る舞い方なども含めて、オタクとそれ以外の人々との境界をよりあいまいなものにするという足跡を残しました。

そして2023年現在、オタクを自認する人の層も、漫画、ゲーム内などの2次元キャラクター、ひいてはディズニーランドや刀剣、動物、鉄道や建築物などジャンルを問わず幅広く、近年ではYouTuberや...

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ファンに共感される企業の振る舞い「推し活」とマーケティング

モノには執着しないと言われる若年層でも、「推し」にかかわる「コト」の消費には積極的と言われます。ファン心理は、具体的な消費行動にもつながりますが、無償の愛とも言える、その熱量は社会を動かす大きなパワーともなりえます。表面的な企業コラボにとどまらず、この「熱量」をもっと"マーケティング的な行動変容"に生かす方法があれば、成熟した日本社会の次なる成長のヒントも見出せるのではないでしょうか。ファンによる無償の愛、定量化しづらい、その価値を日本ならではの文化の中で語ると同時に、企業マーケティングへの活用の可能性を考えます。

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