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ミレニアル世代が親になったら?新・子育て世代の「家計と消費」

ミレニアル世代の将来不安に寄り添う これからのマーケティング

物心ついたころから、右肩上がりの経済成長を経験したことがないミレニアル世代。その世代の特徴や、将来に向けてどのような人生プランを描くのか。また、その将来不安を払しょくするような企業の商品や広告による提案は可能なのかを探ります。

将来への不安意識の「構造」が変わる

ミレニアル世代はもともとアメリカのベビーブーマーの子どもたちの世代論であり、1980~2000年前後に生まれた現在38歳以下の層を指します。日本では1987年以降に生まれた「ゆとり世代」と重なる部分が多く、彼らは現在、31歳以下で過半数が20代です。

三菱総合研究所では「生活者市場予測システム(mif)」(キーワード参照)を活用し、2011~2017年までの20代の意識変化を探り、前の世代(氷河期世代)と比べたゆとり世代の特徴を明らかにしました。

我々が最初に注目したのが「若者の将来への不安意識」です(図表1)。

図表1 若者の将来への不安意識
(資料)生活者市場予測システム(mif)2011-17年調査より作成

2011年と2017年で、若者の将来への不安意識は構造的に変化しました。第一に「景気低迷が続き、高い失業率や就職難が恒常化する」という不安意識が55%から24%へと実に31ポイントも大幅に改善されました。

東日本大震災の前年、2010年はリーマンショックの影響が色濃く残り、7~9月期の長期失業者は128万人、大学生の就職内定率は68%といずれも過去20年間で最悪を記録しました。これが2012年の安倍政権の登場とアベノミクス効果もあり、現在はほぼ完全雇用の状況が続き、2018年春卒業の大学生の就職内定率は過去最高の86%まで回復しています(2017年12月1日時点)。こうした社会経済情勢の変化が若者意識に明確に表れた格好です。

第二に「高齢化によって、医療・福祉・年金等の面で財政悪化」「少子・高齢化によって経済成長が止まる」といった高齢化関連の不安意識があります。こちらについては7年間でほとんど変わっておらず、2017年で見れば、20代の将来不安項目の上位1、2位を占めるまでになりました。

こうした若者の気持ちを川端康成の名著『雪国』に例えるならば、「失業や就職難という長いトンネルを抜けると、そこには高齢化というより長期かつ構造的な将来不安があった」となるかもしれません。

人生プランの「グッドニュース」と「バッドニュース」

こうした将来不安の構造変化は若者の人生プラン設計にグッドニュースとバットニュースをもたらしました。

最初にグッドニュース。長く叫ばれ続けてきた「若者の結婚離れ」に歯止めがかかりそうです(図表2)。2011年の35%から低下を続けた「結婚予想(5年以内に結婚していると思う割合)」は2015年の29%を谷に、2017年には36%まで回復しました。これを裏付けるかのように「交際している異性がいる割合」も2015年の23%から、2017年の31%まで急増しています。まさに「草食系」が「肉食系」に変わろうとしているのです。

図表2 若者の結婚離れに歯止めがかかる!?
※1「結婚していると思う」「どちらかといえば結婚していると思う」合計
※2「結婚していると思う」「どちらかといえば結婚していると思う」合計
(資料)生活者市場予測システム(mif)2011~2017年調査より作成

この背景には、労働需給のひっ迫で20代が正社員化と賃金上昇の恩恵を受けていることがあげられ、「世代」の特徴として語られた「結婚離れ」も実は景気低迷という「時代」の特徴であったことが確認されました。ちなみにmifデータによれば「若者のクルマ離れ」「ビール離れ」「海外旅行離れ」「ファッション離れ」はすべて「時代」の特徴であり、2013~2016年を谷とし、いずれもV字回復を遂げています …

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1980年代から2000年に生まれたミレニアル世代も成人して社会人となり、結婚・家庭を持つ年代に差し掛かっています。
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