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超・コピーライター

デジタルとコピーライター:FICC・荻野英希×TBWA HAKUHODO・細田高広

世の中の変化に合わせて、コピーライターが活躍する機会は増え、領域は広がり続けています。「ソーシャルメディア時代」「地域活性」「デジタル」「若者心理」「働き方改革」という5つのキーワードを立て、各領域の有識者の皆さんとの対談を通じて、これからの"コピーライター"に求められる役割を考えました。

Theme

"デジタル" × コピーライター

定量的な指標ばかりに頼るのは卒業しよう

―デジタルの浸透は、コピーライターの仕事にどのような変化を与えているのでしょう。

細田:デジタル化が進んだ時代のコピーライティングの役割は大きく分けて、"情報処理"と"情報創造"の2つがあると考えています。前者の情報処理とは、ライティングによって効率良くリアクションを生みだす仕事。この分野はテクノロジーの進化によって比較的簡単に数値化・法則化されていくので、仕事自体がいつかAIに奪われてしまうかもしれない。

一方で、ソーシャルメディアが浸透した時代に話題を得られるようなモノやサービスのコンセプトを書いたり、経営自体の方針を言葉で定めたり、社会に流通しやすいPR的なキーワードを生みだす、といった情報創造の仕事には大きな可能性を感じています。

荻野:コピーライターに限らず、いま多くの広告クリエイターの仕事が、質より量の時代になっていますよね。簡単にテストできるのだから、とりあえずたくさんつくって試してみようといった、無限の猿定理みたいなことをやり始めていて。消費者インサイトとブランドの便益に向き合い、さらにその2つが交わるストーリーをつくる。こうしたプロセスを経ずに、広告がつくられるようになってきているのではないかと思います。

そして、見えやすいからと定量的な指標ばかりを追って、良い結果が出たものを「いいコピーだ」「いいクリエイティブだ」と評価している。でもそれって、英語だと"ストリートライト・エフェクト"といって、暗いところでなくした鍵を、明るいストリートライトのあるところで探すみたいな話だと思っていて。

細田:そうですね。コピーライターはまさにそのストリートライト・エフェクトの脅威にさらされています。クリック率とか、エンゲージメントとか、分かりやすいリアクションは結果が測定しやすいので、そればかりが求められるようになっている。でも一方では簡単に数字で計測できない「態度変容を生む言葉」「一目見ただけで忘れられない言葉」を生みだすこともコピーライティングの大切な役割のはずです。

荻野:実際にコピーを書くだけだったら、工数ってほとんどかからないわけじゃないですか。だからと言って、いま量の世界に入ってしまうと、コピーの社会における価値は一気に下がってしまいますよね。量的指標で物を見すぎていて、質で測らない。

そろそろ量的指標ばかりに頼るのを卒業しないと、今のクリエイターが持つナレッジが、次世代のデジタル中心のクリエイターたちに何も引き継がれていきません。「Twitterのハッシュタグではねたから、これはいいコピーだ」みたいな、"場で生まれたワード"をコピーに使うということも、これからは増えていくかもしれませんね。

細田:ひとつの手法としては、ソーシャル上で出てきたキーワードを拾ってタイミング良くブランドがそれに答えるかたちで広告を打つという関わり方も手口のひとつとしてはあると思いますが、それが主流になってしまうと…。

荻野:戦略的なメディアプランではないですよね。場当たり的になってしまって。目的が何で、目的を達成するためにこういうコピーを考えて、こういうビジュアルを考えて、こういうコンテクストを配信していく…というストーリーがなくなってしまうだろうなと。そうなったら、広告から受ける印象は絶対に弱くなりますよ。

細田:世の中に出るのは1行かもしれないけれど …

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超・コピーライター

広告メディアが変化を遂げ、多様化をしても「言葉」による表現の重要性は変わることなく、むしろ「言葉」によるコミュニケーション、そして、そのプロフェッショナルであるコピーライターの役割は、さらに広がっていると言えます。 
今後も、広告やメディアを取り巻く環境の変化は終わることがないでしょう。その変化の中で、コピーライターにはどのような進化の可能性があるのか。もしくは進化の必要があるのか。
いま、最前線で活躍する5名のコピーライターが、その進化に関係しそうな5名の異業界の専門家と対談。対話の中から、「超・コピーライター」の姿を導き出していきます。

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