企業ブランディングを目的とした広告・コミュニケーションには、その企業の創業理念やビジョン、また風土やキャラクター性が込められるもの。時代が変わっても、それらの要素は基本的に変わりませんが、消費者の価値観・志向の変化にあわせて、伝える際の切り口や表現は、変える必要があるのでしょうか?企業と密に連携して、コミュニケーション活動を支えてきたクリエイティブディレクター・岡康道さんに聞きました。

大和ハウス工業「ここで、一緒に」嘘篇
ひとつのクライアントと長くお付き合いし、企業広告・ブランド広告をつくり続ける―TUGBOATの仕事は、そうしたスタイルのものがほとんどです。例えば、大和ハウス工業とは11年、富士フイルムとは10年もの間タッグを組み、企業広告をつくり続けてきました。企業ブランドは1年や2年では完成しません。ある程度の年月をかけなければ企業広告の効果は出ませんから、覚悟を決めて腰を据えて取り組む必要があり、結果、自然と長期プロジェクトになるのだと思います。
企業広告を制作するにあたり、「時代との関係性」を意識したことはありません。僕らの仕事は「ヘアメイク」に似ているかもしれません。その企業の …