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「CMタレント」と広告効果

出稿量が増えると「注視」が低下?タレント起用広告ならではの注意点

  • 郡谷康士氏(TVISION INSIGHTS)

TVISION INSIGHTSでは、リビングルームに人体認識ベースの調査機器を設置することで、視聴者が本当にテレビを注視しているのかといった「注視データ」を24時間365日計測している。この注視データをもとに、タレントがテレビCMにおいてどのように貢献しているのか、代表取締役の郡谷康士氏が分析する。

TVISION INSIGHTS
代表取締役
郡谷康士氏

東京大学法学部卒。マッキンゼー・アンド・カンパニー、リクルート中国を経て、上海にてデジタル広告会社游仁堂(Yoren)創業。2015年よりTVISION INSIGHTSを創業し、代表取締役に就任。

視聴者にどう見られている?視線をもとに分析

TVISION INSIGHTSの「注視データ」では、データの粒度を1秒単位で計測しているため、テレビCMのどの場面で注視されたのか、またどの場面で見られなくなったのかを正確に把握できます。

創業以来、広告主企業を中心にこのTVISIONサービスは活用されてきましたが、テレビCMでのタレント起用をどのように考えるべきかは、注目されやすいテーマのひとつです。TVISIONのデータによって起用タレントを選定した事例も増えてきています。タレント起用に関して、広告主企業の疑問は次のように共通しています。

・タレントを起用する場合と起用しない場合、CMの見られ方に違いはあるのか?

・長期間にわたってタレントを起用すると、飽きられてしまうのか?

・タレントをどのような基準で選定すれば良いのか?

タレントの認知度や好感度などのサーベイデータ、キャスティング費用などの要素がタレント選定には影響しますが、肝心のタレントが「テレビではどう視聴者に見られているのか」というCMにとって本質的な情報が今まではありませんでした。本稿では「注視データ」をもとに、主にタレント起用が注視に与える影響と、出稿GRPと注視の関係にテーマを絞り解説します。

「出稿量」と「注視」を軸に見るタレント起用の効果

まず、タレント起用の有無がCMの注視に与える影響をデータで確認します。今回準備したのは2021年7月から2022年6月末までに放送された関東地域の全地上波CMを、タレントが起用されているかどうかで分類し、「タレント起用あり」と「タレント起用なし」のCMの注視を調べました。ここで注視を評価するために、TVISIONの独自指標「Cスコア(クリエイティブスコア)」を用いています。

CスコアはテレビCMの「クリエイティブ・パワー」を評価するために開発された指標で、そのCMが放送された枠・ポジションの影響を取り除き、純粋にクリエイティブ自身で獲得した視聴者の注視を表した指標となります。

【図表1】を見ると、全CMを単純に集計しただけでは、タレントのあり・なしでの明確なCスコアの差分は見られませんでした。その理由は、いくつか要因が考えられますが、次のような仮説が立ちます。

図表1 全CMのCスコアをタレント「起用あり」と「起用なし」で比較

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テレビCMを始め、タレント起用の広告が多いと言われてきた、日本の広告クリエイティブ。すでにファンのいる方を起用するからこそ、注目や信頼、好感の醸成を後押ししてくれる効果はあるでしょう。しかし広告のキャスティングにおける戦略性といったものは、十分には研究がなされてこなかったのではないかと考え、本特集を企画しました。キャスティングの妙で奏功している企業の事例の他、タレントが広告の効果に与える影響について各種調査データをもとに考察します。

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