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「経験エコノミー」における製造業の課題と考え方

ひとりの壮大なビジョンから生まれる「未来創造の一端を担う」という価値

  • 恩地祥博氏(BRH)

約30分のスカイプ面接で、BRHの代表取締役(CEO)に就任するという異例の経歴を持つ恩地祥博氏。D2Cアクセサリーブランド「gray(グレイ)」を運営する恩地氏が、D2Cだからこそ、顧客に届けられると考える体験価値とは?

アクセサリーブランド「gray(グレイ)」が4月に発売した、愛犬と楽しめるアクセサリー「MY BUDDY collection」。コレクションの売上の一部は、保護犬猫マッチングサービスを展開する「OMUSUBI(お結び)」の活動の支援に充てられている。

D2Cブランド最大のメリットは自由に表現できること

私は2020年1月にD2Cのアクセサリーブランド「gray(グレイ)」を立ち上げ、運営していますが、D2Cの一番良いところは、どんな振る舞い・言動を選択したとしても、結果的に最後にはその思いに共感してくださるお客さまが、満足して、買ってくれることでビジネスが成り立つという点にあると考えています。要するに「自由に表現ができる」ことに尽きる、ということです。

ネットでモノを売ることが当たり前でなかった時代、カネなし、コネなしでモノを売るのは本当に大変で、自分たちでコントロールできないことがたくさんありました。時にはエンドユーザーではない、たったひとりの営業の人に刺さるモノを生み出す努力さえ求められた。そんな経験をされた方も世の中にはたくさんいらっしゃると思います。

ところが、インターネットがインフラ化して世界は変わりました。誰でも自分がつくりたいものを好きな時に、好きな人たちに、好きな形で売れるようになった。これは本当に大きなことだと感じています。

そういったブランドもファンを獲得していく中でリアル/デジタルを問わず自分たちのお客さまに価値あるものを提供し続けてきています。それは必ずしもマジョリティに受け入れられるものでなくてもいい、ということが大きいと私は思っています。

このような背景を踏まえると、これからのD2Cブランドの「自由な表現」はもっと環境問題や社会課題といったソーシャルイシューや政治的な姿勢に向いてくるのではないかと思いますし、むしろそうなっていくべきだと考えています。

パーパスという言葉に代表されるように「社会的存在意義」こそが、これからの企業活動の源泉。お客さまがこれから企業やブランドに求めるものは「自分の目指す未来を一緒に叶えてくれるかどうか」であり、その商品を買う、サービスを受けるといった活動を通して「未来創造の一端を担っている」という実感を持てることこそが最大の体験価値になっていくと考えています。

消費行動は「投票だ」なんて言われますが、本当にその通りで、自分の選択が世の中の誰かの、何かのためになっているという体験は、D2Cブランドが自社の思想を自由に表現できるから成り立つことであると...

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「経験エコノミー」における製造業の課題と考え方

モノの価値に加えて「経験価値」が重視されるようになって久しい現代。顧客とのデジタルの接点を介して得られるデータにより、多くのインフラを持たずに魅力的な体験の提供に注力し、世界的な成長を遂げたUber やAirbnbなどの企業。これらの企業が起こしたデジタル・ディスラプションは既存産業、特にメーカーに大きな衝撃を与えました。図らずも、コロナ禍において顧客接点のデジタルシフトが加速し、リアルもデジタルも含めた一貫したブランド体験の提供が求められるようになった現在、顧客の視点に立った体験・経験の価値から、改めてマーケティング戦略や企業戦略を見直す必要が生まれています。技術オリエンテッド、プロダクトアウト思考が強いと言われてきた日本の製造業は、いかにして変革を遂げるべきなのか?いま踏み出すべき、変革の一歩を実務者、研究者と共に考えます。

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