メディア環境、市場環境が変化を続けるなか、生活者とブランドの接点をつくり、さらにその関係性を深めていくマーケティングやコミュニケーションの仕事の難易度はますます高まるばかりです。そうした環境のなか、常に存在感を発揮する企業でマーケティング戦略をリードするトップランナーは、戦略と課題をどのように考えているのでしょうか。大手広告主の51社の広告・マーケティング部長に聞きました。
21 湖池屋

マーケティング本部
副本部長
白井 秀隆
1993年入社 京都工場、1997年商品開発部、2010年同 課長、2014年マーケティング本部商品開発部 次長、2015年同 部長、2019年マーケティング本部 副本部長を経て、2020年より執行役員 マーケティング本部 副本部長。
● 所属人数:26名
● 平均所属年数:3年

今年度のマーケティングの戦略の方針
付加価値戦略の推進による、付加価値ブランドの継続的成長と、スナック菓子の価値領域拡大を目的とした新機軸商品の開発。
部門の運営上で抱えている課題
● 実施したいことを実現するための予算が足りない
● 実施したいことを実現するための人手が足りない
今年度注力したい施策・領域
● 企業・プロダクトのブランド価値を向上させること
● 継続的な購買の促進(リテンション、リピーター獲得施策)、既存顧客への対応
● 商品開発部門(事業部門)との連携
現在、注目している生活者の意識や行動にかかわる潮流・トレンド
推し、リアル(行楽、アウトドア、リアルイベント)、フェーズフリー、インバウンド
昨今注目の広告・マーケティング手法や技術
● メタバースをはじめとするXR技術
● インフルエンサーマーケティング
● コミュニティマーケティング
22 コーセー

宣伝部
部長
織田 浩行
1993年入社。2007年マーケティング政策課課長、2009年ブランド企画部課長、2010年宣伝企画PR課課長、2013年通販事業室室長を経て、2018年より現職。
● 所属人数:50名
● 平均所属年数:5年

今年度のマーケティングの戦略の方針
今後の新たなお客さまづくりの拡大領域として3G(Global・Gender・Generation)をキーワードに掲げ、性別や年齢に捉われず、より幅広い生活者をターゲットにしたマーケティング戦略を推進する。
部門の運営上で抱えている課題
● 取り組みの成果を評価する指標がない、あるいは不明確
● 他部門から期待される投資に対する説明責任が十分に果たせていない
今年度注力したい施策・領域
● 企業・プロダクトのブランド価値を向上させること
● メディアの効率的なプランニング・バイイング
● クリエイティブ力の向上
現在、注目している生活者の意識や行動にかかわる潮流・トレンド
● 特に化粧品においては無性別消費が急速に拡大している為、その流れに対応した商品企画開発や広告クリエイティブ制作が求められている。
● 「消齢化」が進む中、世代で区分することより、大多数の共通性を見出すことが重要になってくる。もしくはより嗜好性を深く把握、理解したターゲット設定が必要になってくるだろう。
昨今注目の広告・マーケティング手法や技術
● メタバースをはじめとするXR技術
● NFT
● コネクテッドTV
23 サントリー食品インターナショナル

SBFジャパン
コミュニケーション本部
コミュニケーションデザイン部長
木下卓也
2004年サントリー入社。食品事業に関わるブラマネ・企画、また中国事業(食品)におけるマーケティング部門等を経て、2017年よりコミュニケーションデザイン(宣伝)部門に着任。現在に至る。
● 所属人数:13名
● 平均所属年数:5年

今年度のマーケティングの戦略の方針
コミュニケーションのプロ集団として世の中や生活者に「最も響く」コミュニケーションを届け、企業及びブランド価値向上に大きく貢献する。
部門の運営上で抱えている課題
● 他部門から期待される投資に対する説明責任が十分に果たせていない
今年度注力したい施策・領域
● 企業・プロダクトのブランド価値を向上させること
● 商品開発部門(事業部門)との連携
● クリエイティブ力の向上
現在、注目している生活者の意識や行動にかかわる潮流・トレンド
メディア接点の多様化および主にデジタル上の情報量の増大に伴う、見たい情報しか見ない生活者群のさらなる増加。
昨今注目の広告・マーケティング手法や技術
● AI技術
● メタバースをはじめとするXR技術
● コネクテッドTV
24 三陽商会

マーケティング・コミュニケーション部
部長
伊藤 直美
大学卒業後、1998年三陽商会入社。百貨店の営業、直営店の運営を経て、マーケティング、ブランディング、宣伝・販促業務に携わる。新ブランドの立ち上げ、大型路面店のオープン、VMD、社内報のディレクションまで幅広く経験。2022年3月より現職。
● 所属人数:40名
● 平均所属年数:7年

今年度のマーケティングの戦略の方針
あらゆる事業活動の中心に“顧客理解”を据え、すべてのチャネル・メディアにおける顧客とのコミュニケーション/サービスを最適化することで、OMO施策を推進し、ブランディングの追求並びに、店舗/EC双方の売上・利益の最大化を図る。
部門の運営上で抱えている課題
● 実施したいことを実現するための予算が足りない
● 実施したいことを実現するための人手が足りない
今年度注力したい施策・領域
● 企業・プロダクトのブランド価値を向上させること
● 新規見込み客の発掘・獲得
● 継続的な購買の促進(リテンション、リピーター獲得施策)、既存顧客への対応
現在、注目している生活者の意識や行動にかかわる潮流・トレンド
この春夏は“肌見せ”がトレンドに。背景として、自分...