広告で機能の差異を謡うことより、コーポレートブランディングへの注力へと舵を切ろうと、2012年にオウンドメディア『サイボウズ式』を立ち上げたサイボウズ。同社ではいまどのようなメディアプランニングを行っているのだろうか。『サイボウズ式』編集長も務めた大槻氏に話を聞いた。
“社内炎上”を経たクリエイティブと広く伝えるためのメディア選び
オウンドメディアの立ち上げから3年後の2015年、同社ではコーポレートブランディング部を設立。サイボウズを使う可能性のあるすべてのビジネスパーソンに向けたコミュニケーションが目的で、プロダクトのマーケティングではなく、コーポレートコミュニケーション活動を重視する。コモディティ化が進む市場環境のなか、プロダクトの差異を訴求するよりも企業としての社会に対する姿勢を打ち出すことに舵を切ったのだ。
それから約10年。現在、同部内の体制は『サイボウズ式』を中心としたコンテンツ編集を担当する編集チームと、企業・製品広報やIRを担当する広報チームに分かれる。さらに近年は、「会社名は知っているけどサービスは知らない」層に向けたプロダクトブランディングプロジェクトを立ち上げた。
エクスペリエンスモデルにおいて、ブランディングは、商品認知の母数を広げる役割を持つ。しかし...