ミレニアル世代のマーケター・クリエイターは、2017年、何に注目しているのか。それぞれの視座から解説してもらいます。
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メディアとコンテンツは量から質へ

朝日新聞社 メディアラボ員
林 亜季氏
今年はメディアやコンテンツの数が飛躍的に増大し、流通を握るプレーヤーが存在感を増した一年でした。来年は、「質」がフォーカスされると予想しています。
米国で大人気のBuzzFeedが日本版をスタートさせ、ソーシャルでの流通に重点を置いた「分散型メディア」も台頭。「バーティカル(分野を絞った)メディア」もどんどん生まれています。無料のキュレーションサイト全盛の一方で、有料コンテンツにも定額制の波が押し寄せ、音楽、動画、雑誌に続き、本の読み放題も始まりました。ニュースでは、大臣や都知事の辞任にもつながった「文春砲」が圧倒。Webメディアもジャーナリスティックなコンテンツの訴求力を重視し始めています。
2017年、メディアは、広い流通を狙うマスか、特定分野で読者との強いエンゲージメントを目指すバーティカルに二極化。オーディエンスは、無料や定額サービスで効率的に情報を摂取するライト層と、高額でも高品質の読み物や限定的な情報を求めるヘビー層に分かれるでしょう。
コンテンツは、1本1本の果たす役割が厳しく問われ、書き手は「何のために書くのか」を再考することになります。マスを引き込む鮮烈なストレートニュースか、共感や議論を生む問題提起か、会員登録や単体でのマネタイズにつながる深い考察か……。コンテンツの質を測定する「PVの次」の指標も、模索が続きます。
ネイティブ広告などブランドコンテンツの高品質化・高単価化も進みそうです。特に注目しているのは、広告・PRにジャーナリズムの視点を採り入れた「ブランドジャーナリズム」。「ブランド」と「ジャーナリズム」は一見、両立しないとも思える概念ですが、クライアントの「伝えたい」とオーディエンスの「知りたい」をつなぐ、ひとつの解になるかもしれません。
朝日新聞社もさまざまな挑戦を準備しています。トラディショナルメディアの変革にも、ぜひ注目してください!
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2017年のクリエイティブ界の趨勢

電通 CMプランナー
村田俊平氏
ご指名ではありますが …