特に近年、Cookieに依存せず複数のデータソースを統合できる手法としてMMMが改めて注目を集めている。今回はその仕組みや今後のAIによる進化、さらには旅行や消費財、アプリ、住宅など各業界での活用事例について、ノバセル Marketing DX 事業部長 真鍋達哉氏が解説する。
従来型MMMは限界!?AIが切り開く次世代の分析
MMMは以前から存在する手法ですが、従来は膨大で多様なデータを統合・分析するのに時間とコストがかかり、専門家の手動による作業が不可欠でした。テレビ視聴率や、広告インプレッション、競合動向などの膨大なデータを一元管理し、整合性をとりながらモデルを構築するには高度な知識と作業が必要で、分析結果の導出までに数カ月かかることも多く、市場の変化に即応できないといった課題がありました。
近年は、AIや機械学習を活用した自動化ツールが台頭しつつあります。MMMにおいてもBig Techを中心にMMMに関するOSSが登場したことで、モデル構築や定期更新をソフトウェア上で半自動的に行うことが可能になりました。
さらにAIの発展により、MMMが出力する複雑な分析結果の解釈が容易になることも期待できます。これにより、専門家に依存せずMMMを用いた分析プロセスのスピードを高速化し、結果をもとに...