グーグルは2025年1月、マーケティング・ミックス・モデリング「Meridian(メリディアン)」を公開した。オープンソースのため、マーケターやデータサイエンティストなど、誰でも自由に利用することが可能だ。「Meridian」活用の際のポイントや注意点について、グーグル・アジア・パシフィックの中原啓智氏が解説する。
MMMは現場の担当者が納得感をもって使える時代
従来のMMMは、設計・運用に高い専門性が求められ、主にデータサイエンティストや外部コンサルタントによって活用されていました。しかし、マーケティング施策の多様化や、メディアやデータの複雑化が進むなかで、「現場のマーケターが納得感をもち、自らの意思決定に活かせるMMM」が求められていました。そこでグーグルでは、より操作性が高く、可視化と仮説検証を重視したMMMツールとして「Meridian」を開発。「Meridian」は、テレビCMやデジタル広告、オフライン施策など複数チャネルの効果を統合的に評価し、ROIを基に予算配分をシミュレーションできます。ベイズ因果推論を用いたモデリング手法により、事前知識を加味したモデリングを柔軟にできる点が特徴です。
また、近年ではIDベースのターゲティングが制限されつつあるなか、プライバシーに配慮した効果測定手法の重要性が増しています。そのような背景から、「Meridian...