自治体PRの成否は、トップの広報力が握っていると言っても過言ではない。ここでは、テレビの露出量データを基に、トップ広報が効果的に機能している自治体をランキング化。自治体の首長がメディアに好かれる秘訣とは?
自治体のPR活動の成果を測る指標にはさまざまなものがあるが、その一つに「トップ広報力」、すなわち自治体の首長たる知事が、どれだけテレビ番組に登場し、いかに“お茶の間”の人々に存在感を示すことができたか、という評価の仕方があるのではないか。そう考え、編集部では、2015年3月1日~2016年2月29日の1年間の、各自治体トップのテレビ番組露出量(秒数。番組はニュース・情報・バラエティなどジャンルを問わない)を算出し、ランキング化した。調査データは、企業だけではなく官公庁や地方自治体の広報部門で、テレビ露出調査や危機管理のデファクトのツールとして活用されているSPIDER PRO(自治体では、東京、大阪、横浜などの大都市はもちろん、堺市などでも活用されている)を用いて編集部にて調査を行った。表には、ブランド総合研究所が毎年発表している「全国都道府県別魅力度ランキング」の2015年の結果も、参考情報として書き添えている。「平時の消費者からの関心度・好意度はそれほど高くない自治体でも、PR戦略の成否次第ではかなりのメディア露出が望める」ということが分かる。
調査の結果、東京都と沖縄県が圧倒的な露出量で1位・2位に。3位にも東京に次ぐ大都市・大阪がランクインし、上位はある意味順当な結果となった。とは言え、東京都(舛添要一知事)は、2015年8~9月にかけて巻き起こった2020年東京オリンピック・パラリンピックのエンブレム問題、沖縄県(翁長雄志知事)は米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設問題と、両都県の首長のメディア露出には国政関連の話題が密接に関わるケースが多く、必ずしもPR戦略の成果とは言いにくい部分もあるので、ここでは、それ以外の順位に注目してみたい。
4位には、2014年、「鳥取にはスタバはないですけれども、“日本一のスナバ”があります」という平井伸治知事のコメントが話題になった鳥取県がランクイン。その勢いを2015年も継続すべく、2015年5月に「勝手にスナバキャンペーン」をスタート。鳥取砂丘で開催した記者会見にも …