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「顧客体験」戦略 その設計から改善まで

Amazonに対抗し得る「セレンディピティ消費」の創出

  • 小菅竜介氏(立命館大学大学院)

あらゆる業界でディスラプションを起こすEC界の巨人、Amazon。こうしたプラットフォーマーに対し、日本のメーカー・小売はどのような体験価値で競争していくべきか。立命館大学大学院 教授の小菅竜介氏が考える日本企業のチャンスとは。

リーン消費がもたらすCX 日本企業に勝ち目はないのか?

GAFAの中で、既存の業界構造に最も大きいインパクトを与えてきているのはAmazonに違いありません。既存の小売、卸売、メーカーと、あらゆる消費財関連企業がAmazonの影響を無視できなくなっています。あまりにも強大な存在であるAmazonに対し、日本の企業はどう立ち向かえばよいのでしょうか。

まず、Amazonがここまで成長してきた理由は、優れたCXをもたらすことにより多くの顧客から強いロイヤルティを獲得してきたからです。では、AmazonがもたらすCXとはどのようなものと言えるでしょうか。それは、ひと言で表せば「リーン消費の中で生み出されるもの」と言えます。

リーンという言葉は、本来は英語で「無駄のない」という意味ですが、トヨタ生産方式に顕著に見られる「価値の流れづくり」を表するものとして用いられています。その中でも「ジャスト・イン・タイム」、つまり「必要なものを、必要な時に、必要なだけ供給する」という考え方があり、これを消費に当てはめたのがリーン消費という概念です。すなわち、リーン消費とは顧客が必要なものを、必要な時に、必要な所で手に入れ、最小限の時間と労力で自らの問題を解決する消費の在り方を指します。

Amazonは、このリーン消費を徹底的に追求しています。究極的なビジョンは、顧客が潜在的に欲しいものをドラえもんの四次元ポケットのように瞬時に手に入れるというものでしょう。そうしたビジョンの実現へ向けて、Amazonは幅広いカテゴリーにまたがる数多くのメーカーから成るエコシステムを築き、AIやロジスティクスに莫大な投資を行うわけです。端的に言って、この次元で勝負をしても日本の企業に勝ち目はありません …

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「顧客体験」戦略 その設計から改善まで

消費者が求めるものは、モノの所有から利用へ。そして、機能的価値から情緒的価値をより重視する流れへと移り変わってきています。これらの消費スタイル、意識の変化は、いまやあらゆるマーケターにとって避けては通れない課題となっています。こうした環境下で選ばれるブランドになるための方法として注目されているのが、商品・サービスの購入前後に及んで一貫した「体験」を顧客に提供し、さらにその質を高めていくこと。競争力の源泉となる顧客体験(カスタマーエクスペリエンス/CX)向上に取り組む企業が増えています。一方で、「体験」は形ないものであるために定義や効果の可視化も難しく、実践が難しい側面もあります。では、一体どのようなアプローチであれば実現できるのか。「顧客体験」設計と、その価値向上の取り組み方法を紹介していきます。

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