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ネット世論と広告炎上

些細なことが炎上につながる時代 いかに口コミと向き合うべきか?

  • 宇賀神貴宏氏(ADKマーケティング・ソリューションズ)

生活者の多くが商品やサービスの検討時に参考にし、影響力を持つ口コミ。口コミには的を射た内容のものもあれば、根も葉もない悪質な批判も存在する。企業や店舗の運営者は口コミをどのような姿勢で受け止めればよいのか。ADKマーケティング・ソリューションズに所属し、WOMマーケティング協議会で理事も務める宇賀神貴宏氏に現在の口コミ事情を聞いた。

価値観が多様化する時代、ネガティブな口コミも、悪質なケースを除けば自分たちの商品・サービスをよりよくするためのきっかけとなるという。

画像提供:123RF

大きな影響力を持つ口コミ 見る側も内容を精査する時代

インターネットが家庭に普及し、日本でもブログが流行した2000年代前半から力を持ちはじめた口コミ。現代では消費者が商品の購入や、店舗、サービスを選択するための判断材料として、口コミは大きな影響力を誇っている。

2010年代前半には、飲食店のレビューサイト「食べログ」で飲食店に好意的な評価を投稿し、ランキングを上げる見返りに金銭を受け取る業者の存在が発覚。不正な手段で口コミを捏造する“やらせ”が問題となった。

最近でも、ECショッピングモール上で「レビューを書いてくれたら商品代金を割引する」といった店舗が存在するケースもあるという。

しかし、それでも消費行動における口コミの重要度は依然として大きいと、WOMマーケティング協議会(WOMJ)の理事である宇賀神貴宏氏は話す。

「マーケティングで口コミが注目されて20年近く経ちますが、消費者が書くリアルで多岐にわたる情報は、広告では対応しきれない一人ひとりのニーズに沿った情報となり得るため、一貫して影響力を保っています。スマートフォンの普及によりインターネットと人々の暮らしの密接度は増し、口コミの数も増えています。口コミの中には残念ながら信ぴょう性に欠けるものもまだ見られますが、見る側もすべてを鵜呑みにしているわけではない。さまざまな情報を比較する中で、自身の琴線に引っかかるようなもののみを個人個人が選び、参考にしているように思います」と、現代の消費者の口コミのとらえ方について述べた。

ポジティブな口コミは、顧客が自発的に商品やサービスを宣伝してくれることになり、企業や店舗にとってありがたいもの。また、一人ひとりの生活者の視点が反映されるため、企業側が考えたメッセージより、多様な価値観の人にも響く可能性も大きくなる。

「ポジティブな口コミが生まれやすいのは、①期待と体験のギャップが良い意味で...

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ネット世論と広告炎上

SNSが浸透したことで、生活者がその時々に感じた気持ちを発信することが可能になりました。しかし、その率直な気持ちが、ときに広告に対する批判、そしてネット上での炎上につながるケースも多く見られます。社会全体が多様な価値観を内包しようと進むなか、その動きを分断するような広告表現は許容されないでしょう。その一方で企業も社会において、ひとつの「人格」を持った存在として活動する以上、その「企業人格」が発信する考えに対して、反対の意見を持つ人が出てくるのは当然のことと言えます。賛否両論の意見が起きると「炎上広告」とひとくくりで話題にされがちですが、いま企業が耳を傾けるべき生活者、顧客の声を見極める必要が生まれているのではないか。そうした仮説のもと、ネット言論と広告炎上について考えます。

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