マーケティングとセリングは似たような概念であるものの、前者は顧客・市場に、後者は自社・商品に軸足を置き、字義以上に概念の異なるものです。だからこそ顧客視点のマーケティングをセールスの現場に取り入れ、セリングではなくマーケティング発想の営業組織へと進化することが、市場環境が厳しくなる現代において、成果の出る組織運営につながります。
本連載では大前提となる顧客理解の深め方、価値提案の設計に始まり、提案の再現性、組織連携、データ活用、インサイドセールスやカスタマーサクセスとの接続まで、セールスの最前線を多角的に考察。市場環境が変化し、売り手都合の営業が通用しにくい時代に、営業戦略をアップデートするための実践知を届けます。
※本稿は『AdverTimes.』に掲載した記事を一部編集し、転載しています。
主役は営業で、推進部門はあくまでも陰の指揮官
オープンハウスで20年のキャリアを持つ山口靖博氏は、マーケティングからシステム構築まで、同社の成長を支える幅広い分野の業務に関わってきた。入社以来20年間、グループの祖業である戸建ての販売を担う営業本部に属し、ここ10年ほどは同本部の営業推進業務を専門としている。そのなかで営業推進部は、全国に70以上ある営業センターのフロント業務を支えるバックオフィスとして位置付けられる。しかし、山口氏は自部署の役割は単なる間接部門ではなく、あくまで「営業本部の一員である」という当事者意識が非常に強いと考えている。
「主役は営業、営業推進部は黒子ですが、実質的には本部機能として現場のオペレーション設計や運用...

