生成AIの普及により情報収集や意思決定のあり方が激変する中、従来型の「広告で認知を取り、検索比較で勝つ」モデルは限界を迎えつつある。AIによる推薦や回答が介在する時代、企業は顧客といかに関係性を築き、選ばれ続ける構造をつくるべきなのか。通販・D2C領域で先進的なアプローチを続けるキューサイの小森谷裕之氏と、八代目儀兵衛の神徳昭裕氏が、これからの顧客接点とブランド体験の創出について語り合った。
検索比較の終わりと「構造で勝つ」時代の始まり
―AIの浸透によって、購買プロセスや顧客との関係性はどのように変わりましたか。
小森谷:昨今、通販業界において、購買のプロセス自体が根底から大きく変わってきていると実感しています。これまでは広告で広く認知を獲得し、検索や比較の場で選んでもらうというモデルが成り立っていました。しかし、ユーザーが検索結果や商品ページを自ら見比べる前に、AIが膨大な情報を要約し、回答や推薦として提示するようになりました。どのようなロジックで自社製品が比較・提示されたのかが見えにくくなっているのです。
AIの推薦ロジックを直接コントロールできない以上、広告出稿量や検索順位だけで競うのではなく、顧客がどのような場面で何を求めているかを捉え、それに応える商品・体験・情報を一貫して設計することが重要です。...

