ヤマハは2023年、若手発のプロジェクトから、クリエイティブ領域における生成AIの活用をスタートさせた。2019年に整えたブランドの土台を参照させ、企画や評価、ガバナンスを支える役割を持たせている。同社の生成AI活用と、人が担うべき判断について、コーポレート・ブランディング部 リーダーの加藤剛士氏に話を聞いた。
AI導入より先にあったブランドの判断基準の策定
あらゆる業務において生成AIを活用する企業が増えるなか、ヤマハが起点に置くのは、AIで何ができるかではなく、ブランドとして何を実現したいかという問いである。同社には、ピアノやギターといった楽器から、音響機器、音楽教室まで幅広い事業がある。対象となる顧客やコミュニケーションの作法は事業によって異なり、さらに展開する地域ごとに音楽を取り巻く文化的背景も異なる。そのなかで、個々の表現を尊重しながら、ブランドとして共通する判断軸をどう保つかが課題となっていた。
2019年にはリブランディングを敢行し、ブランドプロミスとして「Make Waves」を掲げた。このブランドプロミスで顧客に届けたい体験や、その約束を信じてもらうための根拠、表現原則を細かく体系化した。さらに言葉遣い、写真、映像、VI、Webサイト、SNS、パッケージなどに関する約200ページのスタイルガイドを整備している。
「当社としては、ブランドとして伝えたいことがあり、...

