液晶ペンタブレット分野のリーディングカンパニーであるワコムでは近年、BtoB市場への進出を加速させている2024年3月期から2年間を「Wacom Chapter 4」と定め、事業構造を大きく変革。販売チャネルの拡充やサポート機能の強化を通し、2024年度の売上におけるBtoB比率は目標の30%を超えた。同社の取り組みについて話を聞く。
進むペーパーレス化を捉え医療・教育・金融へアプローチ
ワコムがBtoB戦略を強化するようになった背景には、業界を問わず進行するDX化に対するニーズの高まりがある。同社Branded Business Unit JP/TW Directorの角井健一氏は、市場環境の変化について次のように説明する。
「当社はアニメやイラスト、デザインなどのクリエイティブ分野における制作ワークフローのデジタル化を長年支援してきました。たとえばアニメ業界では作画工程のデジタル化が急速に進み、製造や設計でも紙を減らし、デジタルで課題を解決する動きが広がっています。さらに近年は業界を問わずDX化に向けた意識の変化が進んでいます」。
現在、自社ブランドのペンタブレットや液晶ペンタブレットなどを開発・販売する「ブランド製品事業」では、従来のアニメやゲーム、インダストリアルデザインなどのクリエイティブ業界や教育分野に加え、公共、医療、金融、保険とい...