永谷園が伝統を「カップ」の力で再定義 「カップ入りお茶づけ」が受容されるまで

公開日:2026年4月30日

  • 栗原紘明氏(永谷園)

永谷園の看板商品「お茶づけ海苔」が、発売から70余年を経て「フリーズドライごはん入りカップタイプ」として新たな市場を切り拓いた。ライフスタイルの変化やストレス社会など時代に合わせて、同社はあえて伝統の「お茶づけ」を再定義。利便性以上に、お茶づけが持つ「ホッとする」という情緒的価値を突き詰め、生活者とバイヤー双方に「自然な受容」を生んだ。その戦略を紐解く。

ライフスタイルの変化を捉える新形態:カップ入りお茶づけ

永谷園が2024年9月に発売したカップ入りお茶づけは、「フタを開けカップにお湯を注ぎ3分待つだけで、いつでもどこでも楽しめる&ホッと一息つける」ごはん入りのお茶づけ。2025年7月にリニューアルし、ごはんの食感をさらに向上させるために、新製法のごはんを独自配合した。

CMでは、剣道部帰りの学生が帰宅後に、温かいお茶づけで“素の自分”に戻り癒やされる様子を描いた。

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