第一線のマーケター・クリエイターが明かす、キャリアアップの奥義。今回は、yutoriのグループ会社・poolで取締役を務める濱田栞さんにこれまでのキャリアについて伺いました。良い転職は、良質な情報を入手することから始まります。「こんなはずではなかったのに…」とならないための、転職情報をお届けします!
Q.学生時代はどのように過ごしましたか?
私は昔からアイドルが好きで、「推し活」を楽しむ大学生でした。まだ無名でもステージで圧倒的な熱量を放つ「原石」を発掘する瞬間がたまらなく好きで。「次に絶対来る!」とシェアせずにはいられない。その感覚が、今のキャリアの原点になっていると思います。
就職活動を始めるにあたって、好きなことを仕事にするのが一番情熱を注げると考えて、よく使っていたチケットサービスのスタートアップに「インターンを募集していませんか?」と自分から連絡しました。募集はなかったのですが、熱意が伝わり、大学3年生から働き始めることに。卒業後の進路には他の業界も考えましたが、仕事が本当に楽しかったのと、会社がミクシィに買収されて事業拡大フェーズに入る時期だったため、ここにいるのが一番成長につながると感じ、入社を決めました。
入社後はエンタメ系オウンドメディアの編集長を務め、LINE@では60万人のフォロワーを抱える規模に成長させました。記事を配信するとSNSで一気に反応が返ってくる。その瞬間が楽しかった。「ユーザーの熱狂」こそ、自分の仕事の原動力だと気付きましたね。
しかし2年後、担当サービスが終了し、メディアもクローズすることに。すると、SNSに惜しむ声が次々と寄せられて。私にとって仕事の成果とは、単なる数字ではなく、ユーザーの心に残る体験なのだと強く感じた瞬間でした。
Q.その後、yutoriに入社した経緯を教えてください。
その後、マッチングアプリ事業の立ち上げに携わりましたが、こちらも1年半ほどでクローズに。会社の方針で他事業に集中することになったのですが、私は興味を持てませんでした。まだ24歳でしたし、「自分がワクワクすることをやりたい」と思ったんです。
次の仕事を考えるに際し、まずは同世代の起業家に話を聞きに行きました。新規事業を立ち上げる面白さを感じていたからです。そんなときに出会ったのが、D2Cアパレル企業「yutori」の片石貴展社長でした。古着が好きという共通点があって、新規事業の難しさの話でも意気投合して。30分ほど喫茶店で話しただけで「yutoriに来てほしい。一緒に働きたい」と言われたんです。
今でこそアパレル企業最速で上場を果たすまでに成長したyutoriですが、当時は社員0人の駆け出し。でも、「この社長となら、絶対に成長できる」と、2019年に1人目の社員として入社を決めました。
そんな時期でしたから、職種に縛られず、必要に応じて役割を広げていく働き方でした。まずは『古着女子』というコミュニティーを育て、フォロワーが30万人に達したタイミングで古着のECを本格化。その後に開発したオリジナル商品が大ヒットし、自社ブランドを拡大することになったときには、アパレル事業部のマネージャーとして立ち上げを担当しました。さらにブランドが増えた後は、マーケティングを横断的に見る責任者を務めました。
Q.直近では新規事業の責任者を務められています。
2020年にZOZOグループ入りし、経営陣から「上場を目指す」というメッセージが発信されましたが、私はあくまでブランドを伸ばすことに集中していました。
上場後は新領域としてコスメ事業「minum(ミニュム)」を立ち上げることになり、これが私の転機になりました。商材はこれまで経験したことがない化粧品、かつ販売チャネルもD2Cではなく、ドラッグストアやバラエティショップを中心としたリテールということで、分からないことだらけ。正直、不安や怖さはありましたが、裏を返せば、自分の成長につながるとも感じていました。
2025年、コスメ事業を分社化して設立したpoolの取締役に就任しました。経営者を目指していたわけではありませんが、期待には応えたいですね。
今の目標は、「誰もが使ったことのある商品」を生み出すこと。これまでは小さな熱狂を積み上げてきました。全国展開しているミニュムでは、「大きな熱狂」、カルチャーをつくりたいと考えています。
Q.スタートアップで活躍する資質はどんなものだと思いますか。
スタートアップで活躍するためには、まずやってみること。学生から「やりたいことがない」と相談されることがありますが、自分のパワーの源泉となるものは動いて初めて分かるものです。それが怒りである人もいるし、楽しさである人もいる。私は趣味や仕事を通じて、自分の原動力が「熱狂」だと知りました。そして同じマインドを持つyutoriという会社に出会い、ひたすら「熱狂」を生み出すことに力を尽くしてきました。
起業したてのyutoriに飛び込むのは勇気がいりました。まさか30代で取締役になる未来が待っているなんて思いもしませんでしたが、20代のうちにとにかく動き、裁量を持って仕事をしたことが、今につながっているのだと思います。
株式会社pool
取締役
濱田 栞氏
法政大学キャリアデザイン学部卒業。2016年にミクシィ入社後、エンタメ・CtoC・新規事業領域でオウンドメディア編集長を経験。 2019年にyutoriへ一号社員として参画し、「古着女子」、「9090」など複数ブランドを牽引。2020年以降はマーケティング統括責任者として成長を主導。2025年8月より現職。コスメブランド「minum(ミニュム)」を推進する現役マーケター/プロデューサー。
聞き手
株式会社マスメディアン
取締役
国家資格キャリアコンサルタント
荒川 直哉
マーケティング・クリエイティブ職専門のキャリアコンサルタント。累計4000名以上の転職を支援する一方で、大手事業会社や広告会社、広告制作会社、IT 企業、コンサル企業への採用コンサルティングを行う。転職希望者と採用企業の両方の動向を把握しているエキスパートとして、キャリアコンサルティング部門の責任者を務める。「転職者の親身になる」がモットー。
お問い合わせ
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