手触り感のある商品・サービスのコミュニケーションとは異なり、企業自体を対象とするコーポレートコミュニケーションは、生活者の関心を喚起するのも容易ではありません。「企業らしさ」を醸成するコミュニケーションはどのような考えで実践されているのでしょうか。
日々の社員の行動から企業人格は“にじみ出る”もの
―コーポレートコミュニケーションの課題や最近の戦略方針は?
吉田:ニッスイは2022年に日本水産から社名を変更し、それに伴うブランディングを推進しています。私たちの課題は、企業として大切にしてきた価値観が、事業や商品、日々の行動と十分に結びついた形で伝わっていないことにありました。多角的な事業展開ゆえに「何を判断軸にしている会社なのか」が見えづらくなっていたと思います。社名変更を機に、インナーとアウターを分けずに「会社そのもの」を伝えていく方針へと舵を切りました。まずは、社内で共通認識をつくり、その上で、事業や商品を通じて企業人格がにじみ出てくる状態を目指しています。
野村:森ビルは、「都市を創り、都市を育む」事業を通じて、「東京を世界一の都市にする」という目標を掲げ、世の中に貢献すべく取り組んでいます。都市づくりは、いろいろな方々の協力が...

