迫りくるAIによる環境変化にどう対応するか、オウンドメディア担当は日々頭を悩ませているのではないだろうか。本稿では、SEOビジネスが日本より盛んと言われている海外のSEOマーケターが、AIにどのように対応しているかを紹介。いま、日本のオウンドメディア担当が取るべきAIへの対応について、デジタルレトリバー代表取締役の上田寛人氏が解説する。
「AI Overviews」に対する海外のマーケターの準備とは?
本稿は、海外のSEOマーケターの動向の参考資料として、YouTubeチャンネル登録者数148万人を誇る海外のSEOインフルエンサー・Neil Patel氏が運営する「NP Digital」(日本ではツール「UberSuggest」の運営元として有名)が米国のマーケター600人、米国の一般消費者1000人にそれぞれアンケート調査した「2025 Organic Search Engine Trends」をもとに、解説していきます。調査結果は2025年8月に発表され、トピックスのほとんどは「AI対応」に関するものです。
2024年5月に、まずアメリカからリリースされた「AI Overviews」(日本では同8月公開)。当初は4分の1のユーザーが重大な誤りのある情報を提示された経験があると言われていましたが、直近のユーザーへの調査だと、不満を表明しているのはわずか8%で、67%が肯定的な評価をしています。「AI Overviews」はユーザー体験が評価されているので、Googleは自信をもって推進していくと考えられます。日本でも特に、“Knowクエリ”を中心とする記事ページへの流入減で、大きな影響を受けた人も多いと思います。私が担当するクライアントでも1年前と比べて古い記事ページへの流入が40%減少したりしました。
同調査によると、米国のマーケターの53%が、「AI Overviews」登場後、自社の戦略を変更したと答えています。それでは、「AI Overviews」に対して米国のマーケターは、どのような対策をとっているのでしょうか。
【図表1】は調査結果ですが、上の3つの対策は日本のSEO担当者が考える対策と、あまり変わらない印象です。ただ、ブランド言及やソーシャルリスニングツール活用...


