生活者の商品・サービスに対する購入を動機づけるのは、その先にある「目的」だ。では、生活者の目的や動機を深く理解し、新たな利用シーンを創出するにはどうするべきなのか。ニューバランスジャパンとゴールドウインの2社は今、ブランドが属するカテゴリーを越えたマーケティングに挑戦している。ニューバランスジャパンマーケティング部ディレクターの鈴木健氏とゴールドウイン販売本部EC販売部部長の梅田輝和氏に話を聞いた。

―自己紹介と、所属する企業の事業についてお聞かせください。
鈴木:私は、営業として広告会社に入社後、ナイキジャパンを経て、2009年にニューバランスジャパンに移籍しました。PR、広告宣伝、販促活動全般を手掛け、2020年より現職につきました。ニューバランスは1906年に、矯正靴のメーカーとして、アメリカマサチューセッツ州のボストンで生まれました。1972年、現会長のジェームス・S・デービスが確立させた独創的なシューズコンセプト「インステップレーシング」を具現化したシューズがランナーからの支持を集め、以降、総合スポーツブランドとして展開しています。
梅田:私は入社後に営業、商品企画、直営店運営などを経て、マーケティング部でEC領域を担当しています。ECサイト「Goldwin Online Store」では、製品の購買の他、メディア機能も揃えています。ゴールドウインの前身は、1950年に設立された富山県小矢部市の「津澤メリヤス製造所」。1958年にスポーツ専業メーカーとしてオリジナルブランド「GOLDWIN」の生産をスタートし、1960年代からはスキーウェアの開発...