口コミを喚起するユニークな広告で、3回目となる日本上陸を成功させた「スキットルズ」を抱えるマースジャパンリミテッド。コミュニケーションだけでなく、商品にネーミング、パッケージまで統一的な世界観をつくった「YOINEDヨインド」を発売したUCC上島珈琲。マースジャパンリミテッド河合英栄氏と、UCCジャパン小坂朋代氏の2名の対談を通じ、今日におけるIMCの在り方を議論する。

消費者の目線に立って進める一貫したブランディング施策
―初めに、自己紹介をお願いします。
河合:私が現在、務めているマースジャパンリミテッドは全世界で500億ドル以上の売上がある、ペットフードやお菓子を取り扱う企業でマーケティング全般を担当しています。
小坂:私はUCCジャパンで、「飲まないコーヒー」を謳う新商品「YOINED」のプロジェクトマネージャーを務めています。私が所属するのはサスティナビリティ推進本部で、ここにEC推進室があり、EC事業の一環として「YOINED」を販売しています。
―米国から「インテグレーテッド・マーケティング・コミュニケーション」という概念が日本に浸透してきた90年代以降、IMCを実践する企業もありましたが、昨今は口コミの影響力が増すなど、時代と状況が大きく変わってきています。しかしながら、統一感のあるブランド体験はより求められるようになっている。今日の環境において、新生IMCと言えるようなものが必要なのではないか、と考えますが、お2人はどのような考えをお持ちですか。
河合:私が前職のグローバルの飲料メーカーに所属していた際、部署名...