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「共感」ブランド戦略

あらゆる接点でシェアハピネスを描く「ポッキー」のブランド戦略

  • 川野 格氏(江崎グリコ)

1966年の発売以来、広告に様々なタレントを起用し、耳に残るCMソングや「ポッキーダンス」などでも話題を呼んできた江崎グリコの「ポッキー」。近年、同ブランドのテレビCMでは、家族や友人同士の自然な日常を描いている。その背景について、広告部の川野格氏に話を聞いた。

ポッキーで弾む会話を描くCM 自分ごと化できる自然さを大切に

江崎グリコでは2022年9月より、ポッキーの新テレビCMシリーズ第1弾「いつかさそおう、を今日さそおう。」篇、10月より第2弾「友人をさそおう」篇の放映を開始した。

今回のCMシリーズでは有村架純さんと佐久間由衣さんを起用。「さそおう」がコンセプトで、人と人とのつながりにフォーカスしたクリエイティブだ。

過去にドラマで幼馴染役としての共演経験があり、プライベートで友達でもある2人。有村さんが佐久間さんをさそい、「ポッキー」を食べながら、出会ったころの思い出話などを語る...というストーリー。

人との距離が遠くなりがちな日々の生活で心のつながりまで薄くならないよう、「勇気を出して、大切な人に声をかけてみませんか」という思いが込められている。

広告部の川野氏は「メッセージを伝えるだけでなく、行動に移してもらえたら、と考えて制作した広告」と話す。そこで、見た人が自分ごと化できるような自然さを大切にした。「お二人にはとにかく自然な演技、普段の空気感で会話してもらうようお願いしました。また、撮影の中では商品を意識しすぎると不自然になるシーンもあったため、CMではありますが、パッケージの見え方にはこだわりすぎないという判断もしています」。

前シリーズで3年間続いた「ポッキーと、とある家族の物語」は、宮沢りえさんと南沙良さんが親子役で出演し、ポッキーを分け合うことでつながる家族の姿を描いた。川野氏は、「マーケティングにおいて常に考えているのは、『ポッキー』というブランドがどのように世の中に関わっていけるか、役立っていけるかということ。その時々の社会の状況にあわせて、人々の意識や悩み事を掘り下げて、寄り添っていくコミュニケーションを意識しています」と話す。「ポッキー」のコアバリューは、「Share happiness!~分かち合うって、いいね!~」。その価値を広く身近に感じてもらうため、50周年のタイミングで「シェアハピ」という言葉をつくるなど、広告や店頭での販促、SNS運用などすべての接点で全体を俯瞰した設計を行う。

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「共感」ブランド戦略

モノ・サービスの機能性の違いだけでは、差異が打ち出しづらいコモディティ化した市場環境においては、モノの背後にある企業の姿勢や考えに対する共感が消費者の行動を喚起するとも言われています。それでは、共感とはどのように醸成されるのでしょうか?またその企業やブランド姿勢に対する共感は実際に購買という経済活動にどこまでつながっているのでしょうか?実務の世界におけるコミュニケーション事例の他、人の共感が生まれるメカニズムにも迫りながら、マーケティングにおける共感の捉え方を考えます。