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マーケティング活動 KPIの設計と運用

どこまで共有、どうやって連携?外部パートナーとのKPI共有

  • 田中奏真氏(エン・ジャパン)

人材・ノウハウ不足などを背景に、専門スキルや経験を持つ外部にマーケティング業務を委託する事例も増えている。適切に連携し、目標達成に寄与するためにはどのようなポイントに着目するべきなのか。エン・ジャパンでマーケティングの責任者を務め、同社のマーケター採用や組織マネジメントも担う田中奏真氏が解説する。

外部企業に対してKPIをどこまでオープンにすべき?

2021年に「TikTok売れ」がトレンドとなった背景には、生活者の購買理由の変化があります。この市場の変動に対応すべく、マーケターは新しい時代のマーケティング戦略を試行錯誤しており、外部企業が保有する資源の価値が再認識されています。

このときにマーケターが直面する疑問が、「外部企業に対してKPIをどこまでオープンにすべきか」です。非開示契約(NDA)が結ばれていれば、理論上は「全てのKPIを共有する」が最適解。しかし、複数のマーケティング支援会社のスタッフにヒアリングをしてみると、事業会社からKPIに関する情報を受け取っていないという事例を教えてもらいました。

その背後には2つの理由が浮かび上がります。ひとつは、情報を公開するリスクが、共有することのメリットを上回っているという判断があるということ。もうひとつは、KPIの共有がもたらす実際の価値が未知数であることです。

私はエン・ジャパンに在職中で、採用に関する事業の成長を支える立場にいます。14年間にわたって求人サイトのマーケティングをしており、KPIマネジメントを実践してきましたが、苦い思い出があります。それは、外部企業にKPIや関連情報をうまく伝えることができず、事業を停滞させたこと。振り返ると3つの失敗がありました。

最初の失敗は、外部企業にKPI関連情報を伝えなかったこと。自社の情報が競合他社に利用されるリスクを考慮して、それを避けるために非開示にしました。この結果、外部企業は十分な提案ができなくなった。次に、誤ったKPIの作成方法で共有してしまい、プロジェクトの成果を得られなかったこと。さらに、複数の数値目標を設定してしまい、施策の優先順位をつけられない状態に陥ったこと。KPIマネジメントの失敗は、事業成長を停滞させる要因となりました。

その後、考え方を変えて外部企業にKPIを適切に共有できるようになってからは、広告宣伝費が10倍に増加(2009年度:20億円→2023年度:200億円)しても、費用対効果が高い状態を維持できており、事業が成長しています。

これは私のマーケティングセンスによるものではなく、外部企業が持っている実力が最大限に発揮されたことによるものです。そこで、本記事では私が実務を通じて体験した、KPIを外部企業に共有することの多面的価値についてご紹介します。

透明性の高い情報共有でマーケティングチームを強くする

外部企業にKPIを共有する最大のメリットは、自社の企業文化や既存の…

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マーケティング活動 KPIの設計と運用

マーケティング活動の成功に際しては複数の要因が絡んでくるため、当然ながら結果はコントロールしづらいものです。しかし、消費者との接点や施策の運用においてデジタル化が進むなか、データを基にしたKPI設計を行い、日々の活動の指針とする流れは一般的になっています。マーケターはいかにKPIと向き合い、事業の成果につなげていけばよいのか。主な業種・商材・マーケティング目標・シーン別に、「マーケティング活動におけるKPI設計」の基本を、各カテゴリーを代表するトップマーケターの皆さんに解説いただきます。