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マーケティング活動 KPIの設計と運用

適切な戦略・戦術でKPIは決まる!中小企業のマーケティング

  • 大森研治氏(Osaka 大森マーケティングオフィス)

矢野経済研究所が2023年9月8日に発表した「デジタルマーケティング市場に関する調査」によると、コロナ禍を経て、特に中小企業でのCRM、MAツールの導入が活発化しているという。一方で人材や予算、過去事例が不足している中で、本格的にマーケティング施策を実施するにあたって課題を感じる企業は多い。まず何から始めるべきなのか、大森研治氏が解説する。

「戦略」と「戦術」を混同していませんか?

マーケティングに携わる人間として私が大切にしていることは、「本質を突き詰めること」「前提条件から疑う」です。

今回依頼された執筆テーマは「中小企業のKPI。予算や過去の実績データがない中で、どのようにマーケティング戦略を立て、KPIを設計すればよいか?」。これを見て、“そうそう、うちの会社もこの状況”、“大企業はイイよね、お金も人材もあって、優秀なコンサルも使えて”、などと思う方も多いと思います。

では、このテーマそのものを疑ってみましょう。このテーマは以下のように分解できます。

・私たちは中小企業である

・だから、マーケティングにかける予算が小さい

・だから、十分なマーケティング活動ができていない

・だから過去の実績データもない

・だから、マーケティング戦略の立て方が分からない

・だから何をKPIにすべきか分からない

一方で、これを大企業に当てはめてみるとこうです。

・私たちは大企業である

・だから、マーケティング予算が潤沢にある

・だから、十分なマーケティング活動ができている

・だから過去の実績データが豊富にある

・だから、マーケティング戦略の立て方を分かっている

・だからKPIも明確で、活用している

これ、本当でしょうか?大企業で潤沢なマーケティング予算がありながら、戦略が弱い。もしくは戦略と言っているものが実は戦術、つまりHOWのかたまりにすぎない。もしくは、戦略と戦術を混同している。現場が一生懸命にHOWを実行しKPIの改善に血のにじむ努力をしている。しかしそもそも戦略が間違っているので、そのKPIが業績に連動しない。こうした企業では、現場の疲労感が高く、幸福度も低いことが多いのです。

中小企業だからということではなく、大企業であろうが公共機関であろうが、マーケティング戦略・戦術をちゃんと(ここが重要)立てれば、KPIは必然的に決まってきます。

適切なKPIを組み立てる4つのポイント

年間百億単位の予算を使う大企業に比べれば、中小企業のマーケティング予算の絶対金額は当然小さいです。

しかし、肝は戦っている市場で勝つために十分なマーケティング予算を投じているかどうかです。サッカーにおいて欧州チャンピオンズリーグで優勝するには、マーケティング予算(選手補強も含めて)数百億円は当たり前です。しかし、J2からJ1に昇格するためには、数千万円~数億円の規模でライバルチームに勝つ戦略が求められます。

予算の多寡ではなく、戦っている市場内で、限りあるリソース(予算、人、時間、ブランドなど)でいかに勝つか、です。

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マーケティング活動 KPIの設計と運用

マーケティング活動の成功に際しては複数の要因が絡んでくるため、当然ながら結果はコントロールしづらいものです。しかし、消費者との接点や施策の運用においてデジタル化が進むなか、データを基にしたKPI設計を行い、日々の活動の指針とする流れは一般的になっています。マーケターはいかにKPIと向き合い、事業の成果につなげていけばよいのか。主な業種・商材・マーケティング目標・シーン別に、「マーケティング活動におけるKPI設計」の基本を、各カテゴリーを代表するトップマーケターの皆さんに解説いただきます。