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ファンに共感される企業の振る舞い「推し活」とマーケティング

今こそ「熱いファンの声」と向き合うとき 熱量の可視化から、すべてが始まる

  • 津田匡保氏(ファンベースカンパニー)

ファンが“推し”に対して持つ「好き」「応援したい」という熱量を企業が理解し、紐解くことができれば、新たな産業やコミュニケーションにつなげることができるのではないか。ファンベースカンパニー ファン総合研究所での研究内容をもとに、津田匡保氏が解説する。

ファンの存在が生き残る鍵?「好き」「応援したい」を分析する

人口減少が急速に進む日本。顧客自体が物理的に減り続ける時代背景の中で注目を集めているのが、企業やブランドを熱狂的に愛してくれる「ファン」の存在です。熱量の高いファンは、継続購入してくれてLTV(顧客生涯価値)も高くなり、周りに推奨したりしてくれて一生懸命「推して」くれます。

私たちファンベースカンパニーでは、創業以来4年間で200以上の企業や地域の「ファンの声」の分析や施策立案を行ってきました。2022年4月には「ファン総合研究所」を立ち上げ、「好き!」や「応援したい!」といった『ファンならではの心理や行動』を深掘りする研究を日々続けています。

なぜ、たくさん買ってくれるのか?なぜ、買わなくなるのか?これらはビジネスの中で皆さんが知りたいことだと思います。

この疑問を解明するには、まず「人間理解」が必要です。人は、商品特徴や価格優位性などの機能的な価値だけを見て物を買ったり、コンサートに行ったりするわけではありません。ときめいたり喜んだりと、「感情」を基に購買行動をする生き物です。例えば、今日ある商品を機能的な価値で買ってくれたとしても、感情的に「好き!」でなければ、他に機能的に優れた商品が出たら明日にはそっちに移ってしまいます。

顧客を購買金額など行動データだけで見ると、その「感情」は読めません。だからこそ、顧客を感情のある「人」として見ていくことがとても大切だと私たちは考えています。

私たちは、ファンを「企業やブランドが大切にしている価値を支持してくれる人」と、定義しています。たとえ、たくさん買ってくれなくても、しょっちゅうコンサートに来てくれなくても、「感情で好き」でいてくれる。企業のやりたいことや理念をちゃんと理解し、共感してくれる、ずっと心から愛してくれる。こういうファンは、何か企業が困難に陥っても、信じ支えて応援してくれます。

昨今の推し活市場の盛り上がりは、まさにこの感情を持った人々が「好き!」をオープンにして謳歌し始めた「感情の爆発の時代」であると言えるのでは...

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ファンに共感される企業の振る舞い「推し活」とマーケティング

モノには執着しないと言われる若年層でも、「推し」にかかわる「コト」の消費には積極的と言われます。ファン心理は、具体的な消費行動にもつながりますが、無償の愛とも言える、その熱量は社会を動かす大きなパワーともなりえます。表面的な企業コラボにとどまらず、この「熱量」をもっと"マーケティング的な行動変容"に生かす方法があれば、成熟した日本社会の次なる成長のヒントも見出せるのではないでしょうか。ファンによる無償の愛、定量化しづらい、その価値を日本ならではの文化の中で語ると同時に、企業マーケティングへの活用の可能性を考えます。