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顧客の多様化とターゲティング

「つくりおき.jp」の社長が解説、事業ローンチまでのミッションドリブンな構想

  • 前島 恵氏(Antway)

多種多様なサービスが存在する内食市場。スーパーマーケットからデリバリーまで、多くの形態が競合になり得る中、Antwayが選んだのは共働き世帯をメインターゲットにした「つくりおき」。なぜ、共働き世帯に着目したのか。代表取締役社長CEOの前島恵氏に背景を聞いた。

「つくりおき.jp」。提供レシピ数は1000以上、累計提供食数は350万食を突破(2022年4月時点)。

提供レシピは1,000以上「つくりおき.jp」とは

「食」は、人が生活するうえで欠かせない存在。しかし、忙しい日常を送る中で毎日栄養バランスを考慮した献立を考えたり、調理したり、使用した食器を洗ったりすることが億劫だと感じる生活者は多い。

スタートアップ企業のAntwayが2020年2月から運営する「つくりおき.jp」は、共働き世帯に向けた家庭料理のフードデリバリーサービス。プロの調理人・栄養士監修のもと、都内の自社キッチンで手づくりした惣菜を週に1度、家庭に冷蔵で届けるというものだ。

現在、サービスで提供しているレシピは1,000以上。累計提供食数は、2022年4月時点で350万食を突破し、週次の平均提供食数はサービス開始時と比較して約50倍に成長している。ある週のメニュー例を見てみると、主菜にはさんまの梅煮、豚肉の野菜巻き、手羽元のネギ塩だれなど、副菜にはかぼちゃの含め煮、レンコンのきんぴらなどが並び、気取らない家庭料理ではあるが、少し手間のかかる栄養バランスの取れた料理が届けられていることがわかる。

競合多数の内食市場 選んだ理由は「機会平等」の実現

家庭内での食事に焦点を当てたサービスは、コロナ禍で成長したフードデリバリーの他、スーパーマーケットの惣菜、コンビニ、ミールキットなど多岐にわたる。そんな競合が多い内食市場に参入した理由は、幼少期の原体験にあると代表取締役社長CEOの前島恵氏は話す。

「仕事で家族との時間がとれないことや、仕事・勉強をしたいのに家庭の事情で難しいなど、様々な環境要因によって阻害される『機会の平等』は多くの家庭で課題となっています。私も幼少期からこの課題に直面してきたこともあり、学生時代は社会科学の研究者として解消したいと考えていました。しかし大学院生の頃に、『社会をより広く、深く、早く変えられる』というビジネスの力を知り、起業を志しました」(前島氏)。

前島氏の事業目的は、機会の平等を実現すること。実現できるのであれば事業領域はこだわっていなかったといい...

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顧客の多様化とターゲティング

一人ひとりのメディア接触行動や価値観が多様化していると言われて久しい現代。自社のプロダクト・サービスに価値を感じてくれる対象顧客の設定、ターゲティング戦略がマーケティング活動において、ますます重要になっています。
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