システムリニューアルに伴いログインIDのパスワードを再設定ください。

システムリニューアルに伴いログインIDのパスワードを再設定ください。

顧客の多様化とターゲティング

社会の動きに応じて提供価値を成長させるアルペン、事業拡大の裏側

  • 原子朋則氏(アルペン)

ウインタースポーツグッズの製造・販売から始まり、現在は新宿に旗艦店を出店するなど、スポーツの価値を幅広い顧客層に提供し続けるアルペン。その事業拡大の歴史の背景にはどのような考えがあるのか。マーケティング本部長の原子朋則氏が解説する。

1972年 過去
・ウインタースポーツ用品店として創業
・4マス媒体でのコミュニケーション
・世の中の動きに合わせた、提供価値の拡大

⬇︎

2022年 現在
・データを用いた各ターゲットに対するデジタルコミュニケーション
・インサイト把握時点でのマーケター介入タイミングを再考
・パーパスの実現を推進

アルペンがスポーツ全域に事業を拡大する理由

1972年、スキーブームとともに誕生したアルペン。創業当初はウインタースポーツにまつわる商品をメインに展開していたが、1983年には「GOLF5」の開業、そして1997年には「SPORTS DEPO」をオープンするなど、スポーツ全域に事業を拡大してきた歴史がある。創業50周年を迎えた今年4月には、東京・新宿に旗艦店である「Alpen TOKYO」をオープン。都心部の生活者にもアプローチを開始している。

このような事業拡大の歴史について、アルペンの執行役員 マーケティング本部長の原子朋則氏は「世の中の動向を素早くキャッチし、会社が取り組んできた結果だ」と話す。

「これまでの事業拡大の経緯は、生活者の変化に応じて、提供する価値や商品を成長させたことによって実現してきたものです。ゴルフへの参入も、アウトドアブランドのローンチも、すべては世の中の動きに合わせて行ってきました。また、事業の拡大はすなわち、顧客の増加でもあります。それに伴って、アルペンはコミュニケーション戦略も変えてきました。具体的には、マスから各ターゲットを見据えたデジタルコミュニケーションへの移行です。マーケティング活動は、単発的な販促活動と捉えずに、お客さまとの継続的なコミュニケーションであると考えています」(原子氏)。

デジタルへの移行は必然 細分化する顧客ニーズに対応

以前のアルペンの販売促進戦略は、4マスを用いたコミュニケーションが中心だった。2019年春以降、顧客データをもとにしたデジタルマーケティングの注力を開始している。デジタルマーケティング注力の背景には、ウインタースポーツ製品のみを扱っていた時代とは違い、対象顧客が拡大し、ニーズが細分化されたことが理由のひとつにある。

「『GOLF5』の利用者と、『SPORTS DEPO』の利用者では特性が異なることは想像できると思います。一方、新宿の『Alpen TOKYO』と、地方の店舗の客層も違う。これだけでも...

この記事の続きを読むには定期購読にご登録ください

月額

1,000

円で約

3,000

記事が読み放題!

この記事が含まれる特集

顧客の多様化とターゲティング

一人ひとりのメディア接触行動や価値観が多様化していると言われて久しい現代。自社のプロダクト・サービスに価値を感じてくれる対象顧客の設定、ターゲティング戦略がマーケティング活動において、ますます重要になっています。
さらには同じ商品・サービスであっても、個々の異なる価値観を持ったコミュニティ別に、メッセージを出し分ける緻密なマーケティング・コミュニケーション戦術も必要とされています。緻密なコミュニケーション施策の実施に際して、経済合理性の側面から、どの粒度までターゲットを絞り込めばよいのか。特に広告・クリエイティブ施策は工数、コストの問題もあり、そのさじ加減に頭を悩ませている企業も多いのではないでしょうか。
本特集では、このような課題のアプローチ手段を、新たな顧客、利用シーンを開拓することで解決したターゲティング戦略の成功ケースから考察していきます。