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「CMタレント」と広告効果

起用社数ランキングから見る 2022年上半期、タレントのCM起用

  • 韮澤美樹氏(ニホンモニター)

メディアの調査・分析を行う、ニホンモニターでは、2008年からタレントのテレビCM起用社数ランキングを発表しており、タレント起用の動向を知る術として多くの企業で活用されている。2022年上半期の結果をもとに、代表取締役の韮澤美樹氏が現在のトレンドを解説する。

ニホンモニター
代表取締役
韮澤美樹氏

短大卒業後、出版取次会社勤務を経て1996年ニホンモニターに入社。2000年4月より現職。豪州ボンド大学大学院卒業(経営学修士)。

長期起用が多くランクイン 日本の広告にタレントが多い理由

2022年上半期CM起用社数ランキング【図表1】では、長期起用のタレントが多くランクインしていました。7社以上に起用されたタレント34人のうち、8割にあたる27人が5年以上同一企業のCMに、うち14人は10年以上、同一企業のCMに出演しています。長期にわたり同じ企業のCMに起用されているということは、リスク管理の意味で信頼できるタレントという評価になるでしょう。堅実な選択をした企業が多かったと言えそうです。

図表1 CM起用社数ランキング 2019年~2022年上半期

出所:ニホンモニター
在京キー局を対象 カッコ内グループ名は当時のもの

日本は他の国に比べて有名人を起用したCMが多いです。2000年に発表されたアメリカなど6カ国と比較した研究によると、日本が最も多く47.62%、次いでアメリカが20.69%、フランスが15.57%となっています。ニホンモニターのCMデータベースを集計したところ、この10年間でタレントを起用したCM素材は、全素材のうち40%~44%となっており、大きな変動は見られませんでした【図表2】

※カロラス・プラート(2000).「テレビ広告の日本的特質-有名人起用に関する比較文化的考察」、高嶋克義編『日本型マーケティング』千倉書房:pp.97-114.

図表2 CM素材に占めるタレント起用率

出所:ニホンモニター CMデータベースより(在京キー局を対象/尺違い・改訂版も別素材としてカウント)

業種によってタレントと広告の関係性は、切っても切れないものとなっています。広告にタレントを起用するかどうか判断する際、競合する商品やサービスの広告でタレントを起用していれば、「自社でも」...

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「CMタレント」と広告効果

テレビCMを始め、タレント起用の広告が多いと言われてきた、日本の広告クリエイティブ。すでにファンのいる方を起用するからこそ、注目や信頼、好感の醸成を後押ししてくれる効果はあるでしょう。しかし広告のキャスティングにおける戦略性といったものは、十分には研究がなされてこなかったのではないかと考え、本特集を企画しました。キャスティングの妙で奏功している企業の事例の他、タレントが広告の効果に与える影響について各種調査データをもとに考察します。