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『瞬間消費』時代の「広告」と「販促」

『売る体験』もブランド価値に メルカリが考えるCtoC市場の可能性

  • 志和あかね氏(メルカリ)

フリマアプリでモノを購入することが生活の一部として一般化された現在。CtoC市場において消費者は、どのような消費行動を行っているのか。また、そのような消費行動に対して、メーカーなどの一次流通企業に必要な意識とは。メルカリの志和あかね氏に考えを聞いた。

二次流通の動向から消費者を知る「メルカリ物価・数量指数」提供

リユース市場は年々拡大を続けており、2020年の市場規模は推計で2兆4,169億円とも言われている※1

※1 リサイクル通信 リユース業界の市場規模推計2021(2020年版)。

また、フリマアプリの台頭により個人の消費者間による二次流通(CtoC)も一般化している。メルカリ総合研究所でフリマアプリの社会的影響や二次流通市場の可能性について数々の調査を行ってきた志和あかね氏は、「SDGsへの意識の高まりや昨今の物価上昇に伴う生活防衛により、二次流通での売買が活発化。さらにコロナ禍でより多くの人がECを利用するようになり、『野菜』や『コスメ』などの日用品もフリマアプリで購入されるようになりました」と話す。

二次流通市場の拡大により、一次流通を見るだけでは消費者の動向を把握することが難しくなってきている。そのため、メルカリ総合研究所では消費動向や二次流通市場並びに個人間商取引に関する研究活動に寄与することを目的に、2022年5月よりフリマアプリ「メルカリ」内で取引される商品カテゴリ毎の“取引価格”と“流通量”の変動を指数で可視化した「メルカリ物価・数量指数」の提供を開始。

本取り組みは東京大学エコノミックコンサルティングと共同で実施されており、実際に公表された「メルカリ物価・数量指数からわかる4月トレンド」では、「スポーツ関連チケットの物価指数は、前年同月比で約1.3倍増」などの結果が見られている。

本取り組みについて志和氏は「データとしてはまだまだ最適化を続けていかなければならない段階ですが、長期的に『メルカリ物価・数量指数』を見ていくことで、メーカーなどの一次流通企業にも例えば、生産数や価格の適正さを見直す際の指標などとして活用いただけるのではないかと考えています」と述べる。

将来的には、マクロ経済学などの専門家との連携により、一次流通の消費者物価指数と各種経済指標との関連性の分析なども行っていく予定。さらに「メルカリ物価・数量指数」の応用により、緊急事態・災害時における供給不足のモノや地域の割り出し、緊急度検知ができる仕組みを構築するなど、政府や公的機関との連携も目指す考えだ。

二次流通が一次流通消費を喚起?広がる「売る」を想定した購入

二次流通市場が活発化する中で消費者に生まれているのが、“リセールバリュー”、つまり、購入したものを販売する際の“再販価値”への意識だ。2019年にメルカリがフリマアプリ利用者を対象に実施した調査によると、「新品を...

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『瞬間消費』時代の「広告」と「販促」

マーケティング・コミュニケーション活動においては、長らく認知獲得を目的とする「広告」と購買の最後の一押しをする「販売促進」の役割分担がなされてきました。しかしスマホとSNSの浸透により、商品を「知る」タイミングで瞬間的に「購入」が発生するケースも生まれています。それでは認知から購買までがシームレスに起きる、『瞬間』的な消費行動が浸透している時代、「広告」と「販促」はどのような役割分担にあるべきなのでしょうか。「広告」と「販促」あるいは「宣伝部」と「販促部」を分けて考える必然性はあるのでしょうか。『瞬間』的に消費が起きる時代、さらには小売店を介して商品を販売するBtoBtoCモデルのメーカーであっても、顧客とダイレクトにつながることができる現代。改めて「広告」と「販促」それぞれの役割の定義を考えます。