外食の機会が減少したなか、2020年から2021年にかけて高級調理家電の市場が活性化した。なかでも、在宅勤務により朝食や昼食の充実を図りたいという需要から、高機能のオーブントースターが注目を浴びている。

パナソニック
くらし事業本部
国内マーケティング部
中江 睦氏
パナソニック
ビストロ NT-D700
⊚発売直後に約2カ月の入荷待ち
⊚前年同月と比較し、前モデル(NB-DT52)の約2倍の売上
【概要】
独自の近赤外線ヒーターを含む「遠近トリプルヒーター」と、7200通りのトーストプログラム「インテリジェント制御」で、厚切りや冷凍の食パンもオートで美味しく焼き上げられる。これまではグラタンや多様な惣菜パンなどマルチに活用できることを訴求していたが、今回は「食パン」に絞り込んだ。使っていないときはキッチンに溶け込む、黒を基調としたシンプルな外観。調理中は窓がパッと明るくなって、中のトーストが浮かび上がる。

「焼いている間もわくわくする、幸せになるようなデザインです」(中江氏)。
「さあ日常だ」となったとき、幸せを見出せるように
──商品の企画背景を教えてください。
2021年2月に発売したオーブントースター「ビストロ」NT-D700は、昨今市場が活性化している高級トースターの位置づけです。従来の当社のコンパクトオーブンは1万円台でしたので、当社としては新たな価格帯の商品。基本性能は継承しつつ、デザインを大きく刷新し、スチームオーブンレンジと同じ「ビストロ」シリーズとして発売しました。
開発に際し、当社のトースターに関して顧客調査を行ったところ、以前から繰り返し商品を購入されていたり、また料理に合わせたオート機能に高い評価をいただいたりと、非常に愛着を持って使っていただいていることが分かりました。ただ買う段階では「指名買い」ではなかった。そこで今回は、特徴を分かりやすく伝えて指名買いをしてもらうことに注力しました。
電子レンジや炊飯器の場合は、新しい機能が登場して毎年スペックが上がっていくものが多いのですが、トースターは、基本のパンを焼く、という技術は大きく変わっていません。D700に通じる技術は、1999年のG100というモデルから継承されているもの。すでに磨き上げられた...