お酒を“飲めない”ではなく、あえて“飲まない”、ソバーキュリアスという価値観が世界的に広がっている。ニューノーマルの世界において、人々のアルコールに対する考え方はさらに多様化。そうしたなかで、お酒の自由な楽しみ方を支える、アサヒビールの『アサヒ ビアリー(以下、「ビアリー」)』が人気だ。

アサヒビール
マーケティング本部
新価値創造推進部
福冨貴之氏
アサヒビール
「アサヒ ビアリー」シリーズ
⊚同社アルコールテイスト清涼飲料(微アルコール含む)の売上金額2021年11月累計 前年比126%
【概要】
アルコール度数0.5%のビールテイスト飲料。従来のノンアルコール飲料では麦芽エキスや糖類などを加える製法が主流だったが、本商品は、ビールをつくってからアルコール分を除去する「脱アルコール製法」を導入。100%ビール由来原料ならではの味わいを実現した。
2021年3月に『アサヒ ビアリー』、2021年6月に『アサヒ ビアリー 香るクラフト』が発売された(いずれも首都圏・関信越エリア1都9県で先行販売後、全国展開)。

「〇〇しながら楽しめる」、様々な飲用シーンを提案する。
ビールに「憧れていた」人にも、アプローチできた
──商品の企画背景を教えてください。
「ビアリー」の特徴である「脱アルコール製法」の設備導入を検討し始めたのは2017年頃。私たちマーケティング部門は2019年頃から、商品開発に関わっています。
コロナ禍以前から生活者のライフスタイルは多様化していて、アルコールの飲み方・楽しみ方に選択肢を提示すべく、当社でも検討を進めていました。さらに近年、健康志向の高まりに伴って、アルコールや糖質の摂取を控える方も増加していました。そうしたなかで2020年12月、酒類を提供する企業としての最優先課題として、飲む人も飲まない人もお互いが尊重し合える社会の実現を目指す「スマートドリンキング」宣言を発信。「ビアリー」は、その第一弾商品として発売開始しました。
──コロナ禍で「飲み会」に対する人々の価値観の違いが表出したように思います。
昔は、“酔うこと”が飲酒の主たる価値と思われていたのではないかと思います。でも今は特に若い人たちにとっては、顔が赤くなるのがイヤ、体調が悪くなるのはカッコ悪い、といった...