企業やブランドの世界観を表現し、共感を呼び起こすことができる動画。その活用には、どのようなポイントがあるのだろうか。生活者とのインタラクティブなコミュニケーションでファンをつくる、I-neの動画課 課長、動画ディレクターの鈴木大輝氏に話を聞いた。

BOTANISTブランドのフルリニューアルに向けた『共に生きる LIVE WITH』より。SDGsやヴィーガン、廃ブラスチック問題などをテーマにした、各専門家へのインタビューを中心とした『#1 Diversity』『#2 Creativity』『#3 Coexistence』『#4 Sustainability』の4本が、約1年かけて展開された。
Q1 動画制作の社内と外部パートナーの役割分担はどうなっていますか?
──インハウスの強みを生かした、スピード感のあるクリエイティブを重視。
当社の動画制作はブランドチームとブランディング本部内のコミュニケーション戦略部で策定された戦略をもとに、動画課が作成を進めます。インハウスの強みを生かし、状況に合わせて早く、かつ費用を抑えて作成・公開することが可能。テレビCMなど大型の撮影は外部パートナーに発注しますが、絵コンテの作成や撮影現場でのディレクション、媒体に合わせた素材の編集はインハウスの動画クリエイターが担います。
制作においてパートナーに期待することは、私たちと同じ温度感でのコミュニケーションを取ってもらえるかどうか。これは社内でも同じですが、ブレインストーミングや描いたクリエイティブをもとにコミュニケーションを繰り返して、新たな連鎖を生み出すことを大切にしています。
Q2 デジタルメディアのなかで、動画の役割をどのように位置づけていますか。
──ブランドの物語、コンテキストを語るうえで欠かせないもの。
I-neの経営理念は、「Chain of Happiness」。イノベーティブなアイデアとマーケティングで幸せな体験をユーザーに届けることを目的に経営、ブランド開発・運営を行っており、これは動画制作に関しても同様です。大切にしているのは、「なぜその商品が世界に存在しているのか」というブランドパーパスの視点で、「その商品があることで、世界がどう変わるのか」「その商品が生み出されることで、どれだけの人の感情が...