平時でもプレッシャーの大きい妊娠・出産・育児。加えて子どもの月齢に合わせて悩みが変わることも特徴だ。20~30代の子育てファミリー層のインサイトについて、『ひよこクラブ』の編集長、柏原杏子氏が解説する。
主要読者
第1子の出産後から2歳までの赤ちゃんをもつ母親(平均31.5歳)
長引くコロナ禍の影響で育児期のプレッシャーは増大
新型コロナウイルス感染症の流行拡大は、育児期ファミリーにも大きな影響を与えています。具体的な変化として、妊娠~出産期では、「妊婦健診に夫などの付き添いができない」「両親学級などの講習が中止orオンラインで開催」「里帰り出産が難しい」「立ち会い出産の制限、禁止」などがありました。
また産後においては、「保健センターなどの窓口や子育て支援センターが予約制になっている&人数制限されている」「両親のサポートが受けにくい」「離乳食などの育児教室が中止」などの変化が挙げられます。
予定通りにいかなかったり、希望が叶わなかったりしたため喪失感を持つ人や、周囲のサポートが必要な時期にそれが得られないため不安を抱える人は、格段に増えたと感じます。また、平時でも「小さな命を守らなければならない」という大きなプレッシャーを感じやすい乳幼児の育児期。さらにコロナという敵も増えて、そのプレッシャーはより大きくなっていると思われます。
求められるのは“育児の基礎” 心の声を代弁する言葉が響く
コロナ禍の影響で、病院、自治体、親、ママ友・パパ友などから、育児に関する情報を教えてもらう機会が圧倒的に減りました。そうなると、自分たちが、何がわかっていないのか、何を知り得るべきか、という判断も難しくなります。そのせいか、昨今『ひよこクラブ』では、“基礎がまとまっている” “初心者向けに丁寧に解説されている”というニュアンスを持った企画で大きな反応をいただいています。
いくつか例を挙げると、2021年9月号別冊付録「離乳食1年生BOOK」や、2020年7・8月特別合併号「初めての6・7・8月 夏育児の“やりがちNG”総まとめ」、2021年4月号「離乳食“初めのひと口”進め方入門」など。
また、誰かに不安や不満を吐露したり、会話を通して問題を解決したり安心したりという機会も減りました。「外出できず、家の中で子どもとずっと1対1。ストレスを感じる」といった声も多く聞かれます。
そんな中、雑誌の企画や表紙に、今の読者の状況や気持ちを代弁するメッセージやキャッチコピーを配したところ、それに反応して雑誌を購入する人が増えました。「春、育児はわからないことだらけ⋯」「ママは時間がない!」「ママ&パパ、毎日の育児おつかれさまです!」「頑張りすぎなくていいんだよ!」「赤ちゃんにイライラしちゃうってダメなことですか?」などの...