クリエイティブを制作するクリエイターにとっても、ダイバーシティの視点は欠かせない。「ACC YOUNG CREATIVITY COMPETITION(ACCヤングコンペ)」にて“オムツ”をメディアとした作品「だいパーしてぃ」でグランプリを獲得した若手クリエイターコンビに、作品に込めた思いとこれから時代に必要な視点について話を聞いた。

(左から)電通/塚田航平氏
博報堂DYメディアパートナーズ/久古はる香氏
第1回ACCヤングコンペ
グランプリ受賞作品「だいパーしてぃ」
ACCが実施した、30歳以下のクリエイターが対象のプログラム「ACC YOUNG CREATIVITY COMPETITION(ACCヤングコンペ)」。第1回目の2020年は後援である渋谷区が提示した課題「ダイバーシティ&インクルージョン」に対し、実際に形にする前提で企画・提案が募られた。
グランプリの「だいパーしてぃ」は、「ぼくお人形さんが好きなんておかしいのかな?」「いつかあたしに好きな子ができたら紹介してもいい?もしもその子が女の子でも」など、性やジェンダーロールにまつわるメッセージが前面に表示されたオムツ。裏面にはメッセージを表現したイラストが描かれている。オムツ替えのたびに目に入るエモーショナルなメッセージにより、体の性別にとらわれがちな親の見方を自然に変えていくことをサポートする。現在、企画の実現に向けてプロジェクト進行中。

チャーミングに異を唱えバトンをつなぐクリエイティブ
──「だいパーしてぃ」の企画意図を教えてください。
塚田:今回のコンペのテーマである「ダイバーシティ&インクルージョン」の実現には「あらゆる個性や可能性を肯定し合っていく」ことが必要だととらえました。そこで着目したのが、「LGBTQ+の人たちの子ども時代」。
調べる中で見つけた、「家族と暮らすLGBTQ+の若年層で同居生活に困難を感じる人が非常に多い」という調査データから、家族の理解の重要さを知りました。LGBTQ+の方に限らず