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コロナ禍で見直す企業理念

時代に応じた文化を創出し『人間必需品』を提供し続ける

  • 山中哲郎氏(ヤマハ)

「感動を・ともに・創る」を企業理念とするヤマハ。長い歴史の中でヤマハはどのような思いで事業を展開してきたのか。また、新型コロナウイルスによる需要の変化は同社にどのような影響を与えたのか。マーケティング統括部マーケティング戦略部・部長の山中哲郎氏に話を聞いた。

企業理念を基盤に多岐にわたる事業を展開

1887年に創業し、130年以上の歴史を持つヤマハグループは、その長い年月の中で多くの事業を手掛けてきた。創業以来の事業であり、グローバルにも展開する楽器事業をはじめ、半導体、オーディオなどの音響機器、ゴルフクラブなどのスポーツ用品、自動車部品など、事業の幅は多岐にわたり、過去には家具やスキー板、テニスラケット、アーチェリーの製造を手掛けていたこともある。

このように多様な事業を展開する同社だが、すべての事業には軸となる考え方がある。それが企業理念として掲げられている「感動を・ともに・創る」「私たちは、音・音楽を原点に培った技術と感性で、新たな感動と豊かな文化を世界の人々とともに創りつづけます」だ。

同社マーケティング統括部マーケティング戦略部で部長を務め、全社コーポレート部門としてブランディングおよびマーケティングを担当している山中哲郎氏は事業展開の考え方について次のように話す。

「ヤマハの強みのひとつに、楽器事業で培ってきた確かな技術力があり、ヤマハではこの技術力を積極的に横展開していこうと考える中で事業を拡大してきたという系譜があります。これは、企業理念にある『音・音楽を原点に培った技術と感性で、新たな感動と豊かな文化を世界の人々とともに創りつづけます』に基づいた考え方。当社では、感動と豊かな文化を創出するために、私たちの持つ技術を最大限に生かしてきました。私はここに“ヤマハらしさ”があると考えています」。

楽器づくりで培った木材加工技術は高級家具づくりに生かされ、楽器を普及するには習える場所が必要だとヤマハ音楽教室をつくり、アーチェリーの弓を複合素材(FRP)で製造して得た技術でFRP製のスキー、バスタブ、テニスラケットへと展開し、余暇を十分に満喫できるようにとリゾート事業も展開した。

このようにヤマハは「感動と豊かな文化を創出する」ためという理念の考えを軸に、時代のニーズに合わせた事業展開を行ってきたのだ。

“人間必需品”であり続けるため新しい価値と感動を提供する

ここまで紹介したように...

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コロナ禍で見直す企業理念

社会が変わり、かつテクノロジーの進化・消費が激しい時代においては、いま現在、提供している商品・サービス、さらには創業時の業態を起点とする社会における存在意義の定義だけでは環境変化に追いつけない状況も生まれています。特にコロナ禍においては、営業自粛をせざるを得ない外食産業、観光客を積極的には呼び込めない観光産業、人の移動が減り、利用者が減少する交通インフラ産業など、雇用を維持し、企業を継続させるため、自社の資源や社員の職能を活用し、新たな事業開発をする必要が生まれています。では、創業時から事業が変化していく企業において、理念は創業当時から変わらないままでよいのでしょうか。事業変革に際し、企業理念を見直す必要性、また必要となる場合には、どのように見直せばよいのか。企業の実例をもとに考察していきます。