今年、創業20周年を迎えたウェルカムは、「DEAN & DELUCA」や「CIBONE」の運営など食とデザインの2つの軸で良質なライフスタイル提案を行ってきた。全店休業からECの拡充、さらにプロデュースをした「虎ノ門横丁」のオープンから見えてきたものは何か。食を取り巻く環境について、ウェルカムグループ代表 横川正紀氏に話を聞いた。

デザインとコミュニケーションを軸にしたプロジェクト「CONNECT」(GYRE B1F)にて。
ウェルカムグループ
代表
横川正紀氏
2000年にジョージズファニチュア(2010年にウェルカムへ社名変更)を設立、DEAN & DELUCAやCIBONEなど食とデザインの2軸で良質なライフスタイルを提案するブランドを多数展開。その経験を生かし、商業施設やホテルのプロデュース、官民を超えた街づくりや地域活性のコミュニティづくりへと活動の幅を拡げている。武蔵野美術大学非常勤講師。
ウェルカムグループ
[会社概要]「GEORGE’S」「CIBONE」などの小売及び飲食業を通したライフスタイル事業、「DEAN & DELUCA」をはじめとする輸入食品および加工食品等の製造・販売やカフェの運営を行う。ライフスタイルを中心にした空間づくりとして、インテリアコーディネートやコンサルティングも実施。
6月に開業の「虎ノ門横丁」 ソフトオープンで長期的な経営を
──コロナ禍における、これまでの対応についてお聞かせください。
2月中旬から経済活動が鈍化してきた感覚があり、リアルに危機を感じ始めた3月初旬から、お客さまと従業員の安全を守ることが経営における最優先事項であると認識して動き始めていました。3月後半に意思決定をし、緊急事態宣言発令の翌日である4月8日から、病院内の医療従事者向けのDEAN & DELUCAカフェを除いてウェルカムが運営する全店の休業に踏み切りました。
一方、休業中の4月~5月のECでの売上は昨年と比較して3~4倍に拡大しました。それまではECもギフト中心だったのが、自分づかいのものも購入されるようになったのです。また、利用者の拡大や消費意識の変化から、チーズやワインなど、これまでECでは扱っていなかったカテゴリも増やしました。
ウェルカムでは生産者の方とのつながりを大切にしています。そこで ...